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ハワイのクラシック・ホテル

ハワイ州50周年記念企画:ハワイのクラシック・ホテル
~滞在先の歴史をひも解き、アニバーサリー旅行の思い出を深く、濃く演出~

0226_011.jpg フリースタイルのハワイのパッケージツアーが増えるなか、旅程を構成するフライトとホテルの魅力付けが、集客の重要な要素のひとつになっている。特にホテルの選択ポイントは、従来の旅行目的や予算、客室の眺望や立地、アクセス、日本語サービスの有無に加え、ブランド、客室のデザインやアメニティ、料理内容、アクティビティなど、海外旅行に慣れた旅行者の増加にともなって多岐にわたる。今回は、その切り口のひとつとなる歴史あるホテルを取り上げてみたい。ハワイ第一次観光ブームである1890年代から1930年代に開業したホテルには「モアナ・サーフライダー・ウェスティン・リゾート&スパ」や「ロイヤル・ハワイアン」など、旅行者の憧れとなっている人気のホテルが多い。今回はこの2大ホテルに、この時期に開業した隣島のホテルも加えて紹介する。「ハワイのクラシック・ホテル」として、パンフレットに盛り込んだり、店頭ではポップやポスター、セールストークでいかしたい。

 

オアフ島:ハワイを代表する2大クラシック・ホテル

0226_021.jpg オアフ島の歴史あるホテルといえば、「モアナ・ホテル」だろう。ハワイのアメリカ合衆国併合から3年後の1901年にワイキキ初の壮大なホテルとしてオープンし、「ファースト・レディー・オブ・ワイキキ」の愛称で親しまれた。その後、1920年代にはイギリス王室、後年にはサーフィンの名手デューク・カハナモクがそのレストランとビーチを愛好、ワイキキのランドマークとして外交的にも住民にも親しまれてきた。 
 

ホテルはアメリカ合衆国の歴史的建造物としても指定されているが、運営会社が変わり、それにともなう改装を経て、現在は「モアナサーフライダーウェスティンリゾート&スパ」として運営されている。世紀を超えた歴史の重みを随所に残しながら、2008年10月にはスパを開業させるなど進化を続けている。月曜日、水曜日、金曜日にはホテル内の歴史探訪ツアーが開催され、バニヤン・ウィングの2階のヒストリカル・ルームでは、歴史的な文献、展示物、ビデオを自由に見ることができる。
 
一方、同じく歴史あるホテルとして有名な「ロイヤル・ハワイアン」は、ワイキキが観光地として進化してゆく最中の1927年にオープンした。かつて王族の遊び場とされていた「ココナッツ・グローブ」の地に建つ、エキゾチックなリゾート色漂うコーラル・ピンクのロマンチックな姿は世界中の人々を魅了し、「太平洋のピンク・パレス」と称された。戦争時は軍の保養所となったものの、戦後に改修。1947年に再オープンし、ビートルズ、マリリン・モンロー、ロックフェラーなど、各国のセレブリティやハリウッド・スターたちがバカンスを楽しんだ。ハワイ州が誕生した1959年には、ワイキキの名所ともなっている「マイタイ・バー」が誕生。今年1月には約7ヶ月の大規模なリノベーションを経てリニューアルオープンし、新たな歴史を刻みはじめた。

 

ビッグ・アイランド(ハワイ島):個性がきわだつ2つのホテル


0226_031.jpg 1917年に開業した「マナゴ・ホテル」は、アメリカ本土、各国からの愛好者のみならず地元の人々にも愛され続けてきたホテル。その特徴は、日本文化と調合したユニークな施設であること。客室の「ジャパニーズ・ルーム」は、レトロ感ただよう畳、床の間、障子などがあり、美しいケアラケクア湾を眺めながら、「ふとん」の体験ができる。現在も南国ハワイのふとんに珍しさ感じ、このホテルを訪ねる人が多い。

  また、ハワイ王朝最後の女王であるクイーン・リリウオカラニや、マーク・トウェイン、ルーズベルト大統領などが宿泊した「ボルケーノ・ハウス」も、歴史あるホテルとして忘れてはならない。キラウエア火山に宿るといわれる伝説の火の女神ペレとともに、1846年のオープン以来、火山の歴史を見守ってきた。現在は貴重といわれる木「コア」を用いた調度品を配する42室の客室にはハワイアン・キルトも飾られ、温かな雰囲気をかもしだしている。館内にはキラウエア火山の噴火の様子を写した写真が飾られているほか、レストラン「カ・オヘロ・ダイニング・ルーム」は壮大な火口を見ながら食事ができ、火山の絶景を望みながら新鮮な野菜、シーフードまでも楽しめる場所として定評がある。

 

 
マウイ島、カウアイ島、ラナイ島:1世紀以上変わらないホスピタリティ 
 
0226_041.jpg 白髪の船長さんが描かれた看板が印象的な「パイオニア・イン」。こちらも1901年にオープンした、マウイ島を代表するクラシック・ホテルだ。一見するとアパートのようなつくりだが、それがかえってノスタルジックな雰囲気を演出している。かつて、太平洋の捕鯨の中心といわれらラハイナ港を望み、捕鯨で栄えたラハイナの変遷を見守ってきた歴史あるホテルだ。現在、べストウェスタンのチェーンホテルになっている。
 
 「カウアイ・イン」はリフエ空港から約5キロメートルの場所に位置する家族経営の宿。「フォールズ・ビューホテル」として1890年に開業後、100年以上におよびアロハスピリットを提供している。そのホスピタリティ溢れるもてなしに、まずはカウアイの住民の評判を得て旅行者へと広がっていき、カウアイで最も歴史ある宿として今に至る。1950年代には150人が同時に楽しめるルアウ(宴会)を開催できる規模にまで発展。映画「ブルーハワイ」の撮影場所にもなったプールエリアがある。その後、改装を経たものの、開業当時を偲ばせる木目調の素材、経営者家族の絶え間ないアロハスピリットに愛好者が増え、このホテルに泊まる為にカウアイに来たというリピーターも少なくないという。
 
 ラナイ島のクラシック・ホテルの「ホテル・ラナイ」は、ドール農園で名を馳せたドール氏が、接待で主に利用していたという。1923年から1990年という最近までの間、ラナイ島で唯一のホテルとして親しまれてきた。現在も部屋数は11室ながら、そのチャーミングでラナイらしいゆったりとした雰囲気は格別との評判が高い。


 

 ハワイの歴史を見守ってきたホテルたちは、リノベーションをしてアップグレードしたり、従来の素朴さを生かし続けたりと、その個性はさまざま。宿泊場所の歴史を紐解きながら滞在することで、アニバーサリーがより深く濃い思い出として残る為の旅の演出となるだろう。
 
ロイヤル・ハワイアンがアップグレード
 
 0226_k051.jpg ロイヤル・ハワイアンは1月20日、約7ヶ月のリノベーションを終了。リノベーションでは数百億米ドルをかけてアップグレード。ロビー、宴会場まわりの調度品は、従来のクラシカルなモチーフをさらに鮮明にするとともに重厚なムードを作り出した。一方で、ハワイ王朝に愛されてきたコア・ウッドを素材に用いることで、ハワイらしい雰囲気を醸成している。また、客室は、落ち着いたベージュを基調に愛されてきた上質なピンク色を施し、ハワイらしさ、"ピンク・パレス"らしさを維持しながらコンテンポラリーなデザインに生まれ変わった。また、50年以上もの間、人々に愛され、同ホテルで人気のある「マイタイ・バー」は、引き続きワイキキの名所として営業されている。

 取材時には、1948年に初めてロイヤル・ハワイアンに滞在した79歳の老紳士に出会い、「孫を連れて滞在することを楽しみにしている」と話してくれた。また、30代に同ホテルで挙式をした40代夫婦は、「結婚10周年とホテルの再オープンを祝して、新しいロイヤル・ハワイアンに泊まりたかった」という。人生の何かの記念を機にハワイを訪れる人々は、ホテル自体にも思い出が刻まれる。そんな人々の思いに沿ったホテルをすすめていきたい。
 
その他の歴史が感じられるホテル
 
 0226_k061.jpgオアフ島
「ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ」

http://www.hiltonhawaiianvillage.jp/
 1928年、同ホテルが建つ敷地に、「ニウマル・ホテル」がオープン。1954年にニウマル・ホテルが買収され、1955年現在のタパ・タワーが建つ敷地にコテージが建設された。
「ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ」になったのは、1961年のこと。メイン・ロビーへと続く通路には、エルビス・プレスリ-や歴代のセレブリティの滞在の様子など、開業時からの歴史を映した写真が展示されている

 「ニューオータニ・カイマナ・ビーチ」
http://www.kaimana.com/index_jp.htm
 ワイキキでありながら、ゆっくりと朝食を楽しめる場所として人気があるレストラン「ハウツリー・ラナイ」は、ロバート・ルイス・スティーブンソンが「宝島」の構想を練る際に愛好したといわれている
 
「シェラトン・プリンセス・カイウラニ」
https://www.marriott.com/hotels/travel
/hnlks-sheraton-princess-kaiulani/

 プリンセス・ビクトリア・カイウラニが幼少時代を過ごした領地であった、アイナハウ庭園の跡地に建てられたホテル。ロビー脇には王妃の肖像画が飾られている。1955年開業

マウイ島
「ホテル・ハナ・マウイ」
http://www.hotelhanamaui.com/
 1946年オープン。スイートには、サトウキビやサツマイモ栽培で栄えたハナの歴史を感じさせるアートが展示。徒歩圏内にある「ハセガワ・ストア」は、ハナの生活必需品を売る創業90年以上の老舗店
 
ビッグ・アイランド
「キング・カメハメハ・コナ・ビーチ」
http://www.konabeachhotel.com/history.html
 ハワイの王族が避暑地に選んだ歴史的土地であり、ハワイを統一したカメハメハ大王ゆかりの地。カメハメハ大王が晩年を過ごした場所といわれる。敷地内にはカメハメハ大王朝時代の肖像画、ヘルメット、マントなど展示されているほか、15世紀の神殿を復元したアフエナ・ヘイアウもある。
 
「マウナ・ラ二・リゾート」 
古代ハワイアンが使用していたペトログリフが敷地内にある。
ホテルによる視察ツアーも開催

 

今週のハワイ50選
ワイキキ(オアフ島)
ノースショア(オアフ島)
ハワイ火山国立公園(キラウエア火山)(ビッグ・アイランド)
ラハイナ(マウイ島)

 

取材:フジタ佳子