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4年に1度のフラの集い「ワールド・フラ・カンファレンス」

4年に1度のフラ・イベントが7月にオアフ島で開催
~世界のフラダンサーが集結する「ワールド・フラ・カンファレンス」~

090903_hwir_01.jpg フラを学ぶ人々、ハワイの文化に興味のある人々にとって見逃せないのが、4年に1度開催される「ワールド・フラ・カンファレンス(Ka ‘Aha Hula ‘O Halauaola)」。世界各国のフラダンサーが参加するイベントで、第3回を迎える今回は7月23日から31日までオアフ島で開催。カンファレンスのために特別に企画された多数のカリキュラムが用意された。フラのカンファレンスのなかでは最大規模で、子どもから大人、初級者から上級者まで幅広く受け入れられるプログラムがそろうのが魅力。日本からの参加者が全体の3分の1を占めるなど、日本人フラ愛好家の姿も目立っており、フラブームのなかで送客が見込める新たな素材として注目したい。


「ナー・ポノフラ」でフラを踊る人のたしなみを学ぶ

090903_hwir_02.jpg 今回のワールド・フラ・カンファレンスはオアフ島で開催され、世界中から約900人の参加者で賑わった。開催地であるオアフ島を中心に、ハワイ島、マウイ島、カウアイ島などから、フラの指導者であるクム・フラをはじめ、様々な分野で活躍するハワイ文化の継承者たちが続々と、会場となったカパラマにあるカメハメハ・スクールに集合した。日本からの参加者は30歳から50歳代が主流で、フラ教室の先生と生徒によるグループや、フラ教室の仲間同士の5名から6名のグループが多かったが、なかには母娘や子ども連れの家族の姿も見かけられた。

 カンファレンス自体は7月27日からの開催だが、その前の7月23日から25日までの3日間は「ナ・ポノフラ」という、フラを踊るために必要な楽器の作り方や装いの仕方を学ぶクラスが開催される。ここでは、フラを踊るときに使う、「ラパイキ」や「プニウ」という打楽器や、振って音を出すウリウリ、笛のように吹き鳴らす「ホキオキオ」などの楽器にはじまり、ワウケという植物から作る伝統的なハワイの布「カパ」の作り方とカパに模様を刷る方法、さらに儀式などのときに肩からさげるようにまとう布「キヘイ」や「マロ」(日本でいうふんどし)などの作り方、装いの仕方、装いの意味などを学ぶ。

 レイのクラスでは、高度な技術を要する羽のレイや材料となる植物を採りに出かけて数種類の方法でレイを作るなど、より専門的な内容も用意されている。ほかにも、「ハキハキ」(身体を柔軟にするためのエクササイズ)や「ロミロミ」などのボディワーク、そして、しきたりや礼儀を学ぶクラスもあり、バラエティに富んでいる。参加者はそれらのなかから、ひとつを選んで参加できるのだ。ポリネシアンの歴史と文化を体の動きで表現して伝えるアートフォームであるフラは、本格的に極めるなら、歴史や伝説、物語のほか、身につけるものや踊りに使う道具に対する知識なしには、踊りが完成しない。このナ・ポノフラは、フラに関連する文化に触れることで、フラを踊る人がたしなんでおくべきことを学ぶことができる絶好の場なのだ。090903_hwir_03.jpg

ハワイ文化の専門家が知識と経験を分かちあう

090903_hwir_04.jpg 7月26日にはカンファレンスの開催を前に、開会の儀式がとりおこなわれた。ナ・ポノフラで儀式の手順や方法を学んだ参加者のみが参加し、5日間のカンファレンスの幕開けとなる。カンファレンスの開催時間は午前8時30分から午後4時30分までが基本。80人以上のハワイ文化の専門家が講師として集結し、月曜日と水曜日は教室や体育館、講堂などで、講義やフラ、チャント(詠唱)のクラス、火曜日と木曜日は会場の外で各クラスのテーマにあわせた日帰り研修、最終日の金曜日は参加者同士でいままでの成果を認めあうホイケが行なわれた。

 カンファレンスでは毎日、50種類ほどのカリキュラムが開催され、参加者は希望するクラスに参加できる。オアフ島にちなんだテーマで歴史や地理をリサーチ、フラやチャントを学ぶクラスもあれば、マウイ島、ハワイ島からのクム(師)が各島にちなむフラやチャントを教えることもある。フラやチャントなどは、フラ・ハラウ(フラを学ぶ場所)によって受け継ぐスタイルが異なることが多いため、同じスタイルのクラスを受講する人もいればせっかくの違いを知る機会であると捉え、違うスタイルについて学ぶ人も少なくない。

 カンファレンスは基本的にすべて英語で行なわれるが、レクチャー以外の踊り、歌、チャントや、ナ・ポノフラのような作業中心のクラス、体験型のプログラムも多いので、英語が分からなくても内容に興味があれば十分楽しめるはず。会場には日本語を話すスタッフもいるので心強い。

 参加者は米国本土を筆頭に、日本、カナダ、ヨーロッパ、タヒチと幅広い地域から訪れる。このような海外からの参加者のために、カンファレンスの実行委員会は数軒のホテル、コンドミニアムと提携し、比較的安価な宿泊パッケージを用意。また、宿泊先と会場のカメハメハ・スクールを往復する専用のチャーターバスのほか、毎日の昼食も用意している。ハワイの文化に興味のある人にとっては、有意義な終日のアクティビティになるといえるだろう。090903_hwir_05.jpg

毎晩のハワイアン・エンターテイメントも見もの

090903_hwir_06.jpg カンファレンスの期間中、毎晩開催されるエンターテイメントも楽しみのひとつだ。会場のカメハメハ・スクールで、米国本土やタヒチなどから参加したフラ・ハラウや若い世代のクム・フラによるパフォーマンスを行なう日もあれば、1922年設立の歴史あるハワイ・シアターでハワイの伝説の劇を上演することもある。その内容の豊かさは驚くばかりだが、そんな充実した舞台観賞がカンファレンスの参加者は無料で楽しめるのだ。

 カンファレンス2日目に上演されたのは、「オ・カ・イリマ、オアフ」。なんとハワイ・シアターを貸し切り、このカンファレンスに参加したオアフ島のフラ・ハラウを中心に100人を超えるフラダンサー、ミュージシャンが公演したのだ。カンファレンスの場所となったオアフ島に、世界中からの参加者が集まったことを祝ったのである。タイトルにあるイリマとはオアフ島を象徴する花。ダンサーやミュージシャン、集まった人すべてを花にたとえて、音楽と踊りで祝うという、またとない特別なステージであった。

 通常のハワイ旅行や、日本で見ることのできるハワイのエンターテイメントには、限りがある。カンファレンスを機に集まった才能、エンターテイナーの集結は、一般的なショー・ビジネスのステージを軽く越えてしまう。それほどまでに見ごたえのあるワールド・フラ・カンファレンスの次回の開催は、4年後の2013年。それまでにイベントの内容や訴求力を確認し、フラやハワイ文化愛好家を中心とした商品造成やセールスに努めれば、新たな送客チャンスに繋がることは間違いない。090903_hwir_07.jpg

▽ワールド・フラ・カンファレンス
http://www.hulaconference.org

 

取材:神宮寺 愛