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異文化交流の祭典「ホノルル・フェスティバル」

ハワイだからこそできる祭り「ホノルル・フェスティバル」
~参加者数が年々増加、高いリピート率で満足度の高い文化交流イベント~

0402_011.jpg  世界中から集まった多様な人種の人々が、お互いの文化や習慣を尊重しあいながら暮らすハワイ。そんなハワイだからこそできるお祭りが、ホノルル・フェスティバルだ。先ごろ開催された今年のフェスティバルには日本からの見学者も含めて約2500人が参加。日本からの参加団体は前回の70組から90組に年々増加をたどっており、参加団体のリピート率は30%にのぼる。今年は15回目の節目であったことから、今回初めて州知事公認のゴルフ大会「マハロカップ」も開催。JTBサン&サンが催行した、ゴルフ大会の参加やホノルル・フェスティバルのグランドパレードの見学を組み込んだ記念のツアーには150名弱が参加するなど、回を追うごとに広がりを見せている。


伝統芸能からアキバ系まで、日本の文化が紹介

0402_021.jpg  今年で15回目を迎えたホノルル・フェスティバルの今回のテーマは、"異文化をはぐくむアロハの心を未来へ"。民族や世代を超えた交流の輪を広げ、日本とハワイばかりでなく、環太平洋地域の文化も学び、体験できる。世界平和に少しでも貢献したい、というアロハ・スピリットに満ちたコンセプトだ。

 フェスティバルは3月13日から3月15日の3日間にわたり、ワイキキとアラモアナ・エリアで、様々なイベントが繰り広げられた。ハイライトは14日と15日に催された数々のパフォーマンス。日本各地やハワイ、環太平洋地域から100以上の団体が参加し、メイン会場となったハワイ・コンベンション・センターをはじめ、アラモアナセンター、ワイキキ・ビーチウォーク、ワイキキ・ショッピング・プラザに特設されたステージで、終日、パフォーマンスが上演されたのだ。

 イベントの中心となったハワイ・コンベンション・センターは、1階にある大ホールにお祭り広場ステージ、ふれあい広場ステージ、クラフト・コーナー、縁日コーナー、アニメ・コーナーなどに分けられ、ワクワクするような活気が充満。お祭り広場ステージでは、日本からのフラ・ハラウによる優雅なフラ、よさこい踊りや阿波踊り、七夕踊りなど有名なお祭りの踊りや音楽、日本の伝統音楽である琴や大正琴、太鼓の実演、さらに、ハワイの人気グループ、マノアDNAによるミニ・コンサートなどが開かれた。

 特に注目を集めたのが、女優の松坂慶子さんによる朗読劇「天守物語」と、狂言師の野村万之丞氏が作り上げた「楽劇大田楽」。松坂さんの澄み切った声で朗読劇がスタートすると、つめかけた会場のファンからどよめきが起こった。また、一際異彩を放っていたのが、15日のお祭り広場ステージの最後を飾ったアキバ系女王の異名をとる女性タレントの"モモーイ"のミニ・コンサート。日本から一緒にやってきた熱狂的なファンや地元の子どもたちとジャンプしながら歌うモモーイの姿は、現代日本を象徴するサブカルチャーをハワイの人々にも強烈に印象づけたようだ。


日本の祭りのハイライトシーンが続々登場、参加者も見学者も満足

0402_031.jpg  ハワイ・コンベンション・センターの会場には、折り紙や手まり、フラワー・アレンジメントなど、日本からのクラフトやハワイアン・キルト等のブースも出展、身近に日本やハワイのアート&クラフトに接することができ、熱心に習う人々の姿も見られた。縁日コーナーでは、子どもたちが日本のお祭りシーンに欠かせないヨーヨー釣りや金魚すくいにチャレンジ。また、アニメ・コーナーでは、ドラえもんなど日本のアニメ映画の上映や、メイド喫茶の営業など、あらゆる年代層が楽しめる趣向となっていた。

 14日、15日の両日とも、多くの地元の人々がハワイ・コンベンション・センターを訪れたが、今年で第15回目とあって毎年、このイベントを心待ちにしているローカル・ファミリーも多く、すっかり地元でも定着しているのを実感する。入場は無料で、お祭り広場とふれあい広場の両ステージでは約30分ごとにパフォーマンスが上演されたが、そのバラエティの豊かさに、あらためて日本の国の歴史や文化の豊かさを実感させられる。これほどの多様な伝統芸能や踊り、楽器演奏、有名な祭りは、日本でもまとめて見ることは不可能で、日本からの旅行者にとっても貴重な体験となるはずだ。

 
0402_041.jpg フィナーレを飾るグランドパレード

0402_051.jpg  ハワイ最大のショッピング・センターであるアラモアナセンターでも、3月14日と15日は終日、様々なパフォーマンスが上演された。ローカルにも人気のショッピング・センターだけあって、毎年ここでホノルル・フェスティバルのステージを見るのを楽しみにしている日系人も多く、センターステージには開演前から、多くの観客が詰めかけた。

 そしてホノルル・フェスティバルの最後を飾ったのが、グランドパレード。3月15日のパフォーマンスの終了後、午後4時30分からパレードがスタート。ワイキキ・ビーチウォークがあるルワース通りから、ワイキキの東端に位置するカピオラニ公園近くまで、参加団体全員がカラカウア大通りを華やかに練り歩く。

 第1部はハワイアン・パレード。ホノルル市長のムーフィー・ハネマン氏を先頭に、桜の女王、ミス・コナコーヒー、ミス・ハワイ・フィリピン、ミス・コリアなどが続き、パレードの幕を切った。第2部のパフォーマンス・パレードでは、各フラ・ハラウが次々に登場。にこやかな笑顔を振りまきながら華麗な舞を披露し、さらによさこい踊りや阿波踊り、日本の大学によるダンスやチア、大田楽によるパフォーマンスなどが続いた。そして、パレードの最後を飾る第3部の御輿や山車などのパレードと続く。マウイ御輿、パイナップル御輿など、いかにもハワイらしい御輿をはじめ、勇壮な武者絵に灯りを入れて練り歩く弘前ねぷた、長崎からやってきたホノルル大蛇山など、大がかりな御輿や山車が、暗くなったワイキキの大通りを明るく照らすと、沿道に集まったローカルの人々や観光客から、歓声や拍手がわき起こった。

 太平洋の真ん中に浮かぶハワイを発信の場として開催される文化交流イベント「ホノルル・フェスティバル」。普段親しんでいる日本の文化の良さを再発見したり、親子で異文化交流体験ができるなど、ファミリーからシニアまで幅広い年齢層にアプローチできる。参加者のみならず、現地の人々や観光客などの見学者もそれぞれに楽しんでおり、旅行素材としての文化交流イベントの強さがうかがえた。

 
0402_061.jpg ▽ホノルル・フェスティバル
http://www.honolulufestival.com/jp/index.php

 

今週のハワイ50選
ワイキキ(オアフ島)
アラモアナセンター(オアフ島)

取材:高田あや