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ヒロを基点にハワイ島産アイテムを巡る

ビッグ・アイランドならではの付加価値を楽しむ
~ノスタルジック・タウン、ヒロをベースにハワイ島のお土産探しを~

1001_hwit_01.jpg ハワイの特産品は数々あり、ワイキキに行けばひと通り何でもそろう。隣島を訪れてもお土産はワイキキで、と思う旅行者も多いことだろう。しかし、島によって異なる特産品のなかには、その島でしか買えないという付加価値のある品物があるはず。今回はハワイ島(ビッグ・アイランド)のヒロを巡り、ここでしか手に入れることができないアイテムや買物体験を探してみた。いずれも定番だが、「ビッグ・アイランド産」というハワイ島の付加価値として見直してみたい。ノスタルジックな雰囲気が漂うヒロの街での滞在を楽しむ素材としても活用できるだろう。


ビッグ・アイランド・キャンディーズ
日系人創業のハワイ産ブランド

1001_hwit_02.jpg ヒロホノルルに次ぐ第2の都市だが、その雰囲気は独特だ。うっそうと茂る緑、シャワーやヴォグ(火山の噴煙によって発生する霧)による曇りがちな気候など、日本人が思い浮かべるハワイらしからぬイメージを抱かせる。しかし、砂糖キビ産業の労働力として移住した日系人の町という歴史的背景もあり、日本人旅行者にノスタルジーを感じさせてくれる街でもある。

 ほどよく観光地化されていないヒロで、旅行者が必ずといっていいほど立ち寄る店が2軒ある。その1つがクッキーとチョコレートで知られる「ビッグ・アイランド・キャンディーズ」だ。同社は1977年、日系3世のアラン・イカワ氏により創業された。マカデミアナッツコナコーヒー、卵などすべて地元産の材料を使った高品質のクッキーは、今やハワイを代表する定番アイテムとしての地位を不動のものとしている。斜めにチョコレートをディップしたシグニチャーアイテム、「チョコレートディップ・ショートブレッドクッキー」を見れば、ピンとくる人も多いだろう。

 同社の特徴は、ビッグ・アイランド産、ヒロ産にこだわっている点と、一部の商品がワイキキのDFSに置かれている以外、ヒロ本社のギフトショップでしか購入できない点。その理由は、ひとえに品質保持にある。ギフトショップでは、ガラス越しに工場での製造工程を見学できるのだが、あの斜めがけのチョコレートは1枚1枚手作業で行なわれており、これなら大量生産は難しいと納得だ。また店内は、ノンシュガーのショートブレッドやブラウニーなど豊富な商品群がさまざまにパッケージされ、目移りするほど多彩にディスプレイされている。ウェブサイトからの購入も可能だが、できれば現地で製造工程を見ながら購入する楽しみをすすめたい。


シグ・ゼーン・デザイン
植物のデザインでハワイ文化を伝承

1001_hwit_03.jpg ビッグ・アイランド産にこだわり、ヒロでしか購入できないもう1軒のショップは、アロハウェア・ショップの「シグ・ゼーン・デザイン」だ。シグ・ゼーン氏のデザインの特徴は、ハワイに生息する草木や花々をモチーフにしていることと鮮やかな色使い。シンプルで洗練されたデザインと質の良い商品は、世界中にファンがいるにもかかわらず、ヒロのショップとウェブサイトでしか購入できないシステムになっている。

 ヒロのカメハメハ・アベニュー沿いに位置するショップは、2007年にリニューアルされた。ウッディな家具でまとめられ、カラフルなウェアが美しく並ぶ店内は、実にスタイリッシュ。アロハシャツのみならず、Tシャツやワンピース、バッグ、財布といったアイテムも並び、いずれもセンスの良さが光っている。またよく見ると、店内には招き猫や障子がディスプレイされているが、これは「ヒロは日系人の町であり、私自身日本が好きだから」というシグ・ゼーン氏の好みが反映されているからだ。

 同氏がハワイの植物をモチーフにするのは、植物を生活の中に取り入れてきたこの島の人々のライフスタイルや風習といったハワイ文化を、デザインに込めて継承していくという意味があるから。店の中は植物園のようだと自ら形容するだけあって、商品にプリントされた植物は実にさまざま。同じパターンのデザインを大量に作らないので、お気に入りを見つけたら即購入した方がいいというのも、シグ・ゼーン・デザインのファンの間では定説となっている。

 

マウナ・ロア・ビジターセンター
ハワイ産マカデミアナッツの農園と工場

1001_hwit_04.jpg ハワイの島々のどこででも購入できるマカデミアナッツだが、ヒロ近郊はマカデミアナッツの一大産地としても有名。ビッグ・アイランド産アイテムを巡るなら、ヒロ散策のついでに足を延ばしたいのが、マウナ・ロア・ビジターセンターだ。場所はヒロ郊外、ハイウェイ11号線をそれたマカデミア・ロードの先。名前の通り、両サイドにマカデミアナッツの木が並ぶマカデミア・ロードは、なかなか見ることができないマカデミアナッツ農園の一部を通っていて興味深い。

 そもそもマカデミアナッツは、1881年にハワイ好きのオーストラリア人によって持ち込まれた。火山帯の土、雨量、日照量などがマカデミアナッツの栽培に適していたため、ヒロでは1921年に最初のプランテーションが始まり、ハワイの産業として根付いていった歴史がある。

 ハワイのマカデミアナッツといえばマウナ・ロア、というほど定番になった同社も、創業から30年以上。ヒロのビジターセンターには誰でも自由に見学できる工場があり、少々遠めだが、ナッツの製造工程を見ることができる。向かいに建つビジターセンター内のショップには、工場で加工したばかりの商品がずらり。缶に入ったナッツはさまざまな味があり、試食しながら選べるようになっている。一番人気はマウイオニオン&ガーリックで、そのほかワサビ&テリヤキ、ハニーロースト、バターキャンディ、ミルクチョコレートなどバラエティ豊か。ハワイ島らしさという意味では、コナコーヒー味もおすすめだ。


 

1001_hwit_05.jpgコナ・ブリューイング・カンパニー
作りたての地ビールを楽しむ

 

 ハワイ島西部のコナにも、「ビッグ・アイランド産」アイテムがある。もっとも有名なのはコナコーヒーだが、ここでは地ビールの「コナ・ブリューイング・カンパニー」を紹介しよう。カイルア・コナに位置する同社は、1995年創業。ハワイ島のミネラル豊富な水とホップを使った地ビールはじわじわと人気を高め、今ではアメリカ本土の需要がハワイを上回るほどになった。

 人気があるのは、ゴールデンエールの「ビッグウェーブ」やアイランドラガーの「ロングボード」など。コナコーヒーを使った「パイプラインポーター」もハワイ島らしい味だ。1998年に併設したパブでは、特大のピザなどを食べながら地ビールが楽しめるようになっている。また併設の工場は、ガイド付きで見学できるのでぜひ参加してみたい。

 

今週のハワイ50選
ワイキキ(オアフ島)
ヒロ(ハワイ島)
ホノルル(ダウンタウン)(オアフ島)
マカデミアナッツ(ハワイ島)
コナコーヒー(ハワイ島)
アロハウェア/アロハシャツ(アロハをまとう)(全島)

 

取材:竹内加恵