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セントレジスとトランプ、最新リゾートがオープン

ハワイでのラグジュアリーステイ、新リゾートが登場
~今秋デビューのセントレジスとトランプの魅力を探る~

1112_hawai_01.jpg この秋、ハワイにラグジュアリーリゾートが2軒オープンした。ひとつはカウアイ島ノースショアに位置する「セントレジス・プリンスヴィル・リゾート」。もうひとつはオアフ島・ワイキキの中心部に建つ「トランプ・インターナショナル・ホテル・ワイキキ・ビーチ・ウォーク」だ。ブランドも滞在スタイルも異なる両ホテルだが、共通するのはハワイにおける優雅なホテルライフを提案している点。本物志向の旅行者向けの新しいハワイステイの選択肢となることだろう。


改装後も変わらないハナレイ湾の絶景

1112_hawai_02.jpg 2008年から1年以上をかけて大改装を実施したカウアイ島のプリンスヴィル・リゾートは、「セントレジス・プリンスヴィル・リゾート」として今年10月1日にオープンした。スターウッド・ホテル&リゾートのブランドのなかでラグジュアリークラスに属するセントレジスは現在、世界各国の都市やリゾートに18軒を展開。カウアイ島のプリンスヴィルはハワイ初のセントレジスとして登場し、注目を集めている。

 プリンスヴィルは、リフエ空港から北へ車で約50分。一帯は約54平方キロメートルもの広大なリゾートエリアで、世界的に知られるゴルフコースやホテル、コンドミニアム、ショッピングセンターが点在している。広大なエリアの北東端、ハナレイ湾を望む海沿いの地形を活かしたなだらかな丘に、段々畑のように美しくデザインされているのが「セントレジス・プリンスヴィル・リゾート」だ。

 重厚なエントランスを入ると、ロビーの中央に噴水とシャンデリアがしつらえてあり、一瞬場違いな所に来てしまったような気になる。しかし、以前はヨーロピアンな雰囲気を演出していたいくつもの白い柱が重厚なブラウンにその色を変え、ハワイアンアーティストの作品がトロピカルなムードを漂わせているためか、徐々に落ち着いて見えてきた。一方で、このロビー越しに広がるハナレイ湾の絶景は、改装後も変わることがない。リピーターならこの景色を見るだけでここに帰ってきた気がすることだろう。

 改装で最も変わったのはプールエリアだ。背の高いヤシの木々を配したことで南国ムードにあふれ、新たにジャグジーやプールサイドバーも新設された。ビーチのコンシェルジュであるオーシャンバトラーが、マリンスポーツのアドバイスやダイビングツアーのガイドも行なっている。


ホテルの理念に「アフプアア」を導入

1112_hawai_03.jpg セントレジスが高級ブランドであることは、客室に入るとよくわかる。全252の客室は、マウンテン/ガーデン、パーシャルオーシャンビュー、オーシャンビューのスタンダートルーム(201室)と、バトラーサービス付き5種のスイートルーム(51室)で構成。視察したオーシャンビュールームの窓からは、ハナレイ湾の景色がまるで絵のようだ。特製羽毛布団のベッドや大理石のバスルーム、ワインセラーなど、設備ひとつひとつのランクも高い。51平方メートルのスタンダードルームは、優雅なリゾート気分に浸るならもう少し広さがほしいところだが、それも見事な眺望が忘れさせてくれるだろう。

 セントレジス・ブランドにふさわしい施設はほかにもある。フランス・アルザス出身のスターシェフ、ジャン・ジョルジュ・フォンゲリヒテンのレストラン「カウアイ・グリル」では、洗練されたフュージョン料理を楽しみ、新設された「ハレレア・スパ」では、カウアイ産のスパブランド「マリエオーガニクス」などを使ったマッサージに酔いしれたい。リゾート内にある2つのゴルフコース、マカイコース(27ホール)とプリンスコース(18ホール)も、風景の美しさとチャレンジングな造りが自慢の名門コースだ。

 今回の改装では、ホテル運営の理念に「アフプアア」の考え方を取り入れている点も新しい。アフプアアとは古代、先住民であるハワイアンの支配者が自治区域として細長く切り分けた土地のこと。山の頂から海岸まで、川を中心とした扇状の土地になっており、畑から出た泥水を地下をくぐらせて海に流したり、飲料水を確保するため川の上流部は立ち入り禁止にするなど、その自然循環型の暮らし方が今、改めて注目されているのだ。同ホテルではコミュニティの産業をサポートすることで、収穫された作物をホテルが消費するといった地域循環型のオペレーションを取り入れ、カウアイ島ならではの味や滞在を追求している。

 2010年には大阪の御堂筋にセントレジスが日本初進出することで、日本における同ブランドの認知度も一気に高まりそうだ。同ホテルは来年、日本を含むアジア地域を訪れ、プロモーションに力を入れていくという。


高級コンドホテル、トランプ登場

1112_hawai_04.jpg オアフ島・ワイキキの再開発地区ワイキキ・ビーチ・ウォークに11月16日、「トランプ・インターナショナル・ホテル・ワイキキ・ビーチ・ウォーク」がオープンする。同ホテルは、トランプ・ホテル・コレクションがハワイおよびビーチリゾートに展開する初の施設で、洗練されたホテルサービスと快適なコンドミニアムの機能をあわせ持つ、新たなジャンル"ホテル・レジデンス"を追求している。

 38階建てのホテルは、6階にロビー、レストラン、スパ、プールを集約している。エレベーターで6階に上がると、オープンエアのロビーの向こうにフォート・デルーシー公園の緑と碧く光る海の景色が飛び込んでくる。シティ中心部の高層ホテルだが、ここで一気にリゾート気分が高まるというものだ。

 海側に面したインフィニティプールとラナイも見晴らしが良く、広々としている。ビーチリゾートにほどよくシティをミックスした眺めを楽しんでいるだけで、時間を忘れられそうだ。贅を極めた「スパ・アット・トランプ」では、スパのコンシェルジュ「スパ・アタシェイ」がゲストのニーズに適したプログラムを選び、カスタムメイドのスパ体験を提供してくれる。また、同階にはビストロ風レストラン「陰陽」もあり、朝・昼は和食、ディナーはイタリアンという個性豊かな味を提供。ロビー・バーでは夕暮れの潮風とともに、ライブ・エンターテイメントも楽しめるほか、1階には世界的に知られるトップシェフ、ローラン・トゥーロンデル氏の「BLTステーキ」も入っているので、滞在中に一度は足を運びたい。

 

暮らす滞在をアタシェイがサポート

1112_hawai_05.jpg 客室はステューディオ、1、2、3ベッドルームスイートの4カテゴリー。人数やグループの構成によってデン(仕切りのない余剰スペース)が付いた部屋を選ぶこともできる。いずれの部屋も大きなガラス窓から自然光をたっぷり取り入れており、海側に向って部屋を斜めにデザインすることで、オーシャンビューと広いラナイを確保した。最初に視察したステューディオは、最小の部屋だが通常のホテルルームよりずっと広々しており、キチネットが付いているので、豪華だが生活感もあり落ち着ける。1ベッドルーム+デンになると、ワイン収納庫まで付いたフルキッチンを備えており、他ホテルのスイートルーム以上の広さ。2、3ベッドルームは、3世代ファミリーや小グループに十分対応でき、会議やパーティーの利用にもおすすめだ。

 トランプ・コレクション・ホテルの魅力の本質は、質の高いサービスにこそある。個々のゲストに対するきめ細やかなパーソナライズド・サービス「トランプ・アタシェイ」がその象徴。ゲストの記録を保管して、より一層優れたもてなしを提供するシグネチャー・サービスだが、初めての利用者でも事前にリクエストがあれば伝えておくといいだろう。

 同ホテルは全462の客室のうち、約3割は分譲となり、残りがホテルとなっている。そのホテルルームもすべてがオーナー制で、各オーナーから預かった部屋をホテルとして運営していくシステム。販売状況は明かされていないが、同社では2010年の1年をかけて完売をめざしており、1年後にはホテル部分を完全にオープンさせたい意向だ。

 なお、今年12月21日までは、オープニングの特別レートを設けており、通常料金の5割強というお得な料金でラグジュアリーなハワイステイを提供している。

 

グランド・ハイアット・カウアイ・リゾート&スパ
「アナラ・スパ」がリニューアルオープン

1112_hawai_06.jpg カウアイ島の南部のリゾート、ポイプに位置する「グランド・ハイアット・カウアイ・リゾート&スパ」。大改装を経て生まれ変わった同リゾートにこのほど、拡張工事を終えた「アナラ・スパ」がオープンした。スパといっても、スペースは約4300平方メートル。中央には約23メートルのプールが設けられ、とてもスパとは思えない広大な空間だ。プールを囲むように11のトリートメントルームを配し、緑のガーデンには個別にシャワーが付いた5棟のハレを新設。プライベートな感覚を大切にしたいゲストは、ここでゆったりトリートメントやマッサージを受けるといいだろう。そのほか、サウナ、スチームルーム、ヴィシーシャワールーム、ジャグジー、スタジオ、サロンなども完備しており、ただここにいるだけでリラクゼーションタイムを満喫できる大人の空間となっている。

 

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ハワイ現地レポート:カウアイ島とオアフ島、スペシャリストと魅力を再発見(2009/11/05)

 

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取材:竹内加恵