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ホテルでのMICE、パーティもアイデア勝負

ホテルでのMICE、パーティもアイデア勝負の時代に
~プールサイドやスパなどでのアレンジに注目~

091224hwi_top.jpg  MICEデスティネーションとしても人気を誇るハワイ。リゾートとしての知名度に加え、大型グループを受け入れる施設やアクティビティが豊富にあり、クオリティの高い食事や交通機関などの条件がそろっている。しかし、今のMICEは行き先そのものよりもプログラムの内容でデスティネーションを決定する時代。また、会場も屋外の公園や美術館といった「ユニークベニュー」への人気も高まっており、定番の会場であったホテルなどでも新たなMICE素材やプログラムが開発されている。今回は、今年秋の研修旅行の視察中に見つけた最新トレンドとして、MICEでの小パーティにあうプログラムを紹介する。


名門ホテル、カハラのスパ・パーティ

091224hwi_01.jpg  ダイヤモンド・ヘッドの東側、カハラ地区に位置するザ・カハラ・ホテル&リゾート。ワイキキから車で10分の距離だが、隣島の雰囲気を感じさせる静けさに満ちている。同ホテルでは今年、21ヶ月に及ぶ改装を終了した。全客室、スパ、会議室・宴会場、ロビーエリアにおよんだ改装には、総額5000万ドルを投資。客室は、シンプルな中にもトロピカルなタッチを取り入れた“カハラ・シック”をテーマに一新し、最新の設備を備えつつ、邸宅に滞在しているかのような落ち着きあるムードにまとめている。

 改装とともに拡大したのは、スパ・エリアだ。2003年のオープン以来、さまざまなアワードを受賞し続けている「ザ・カハラ・スパ」だが、改装でトリートメント・ルームが5室から10室に増設され、マニキュア/ペディキュア・ルーム、シェービングサービスが受けられるメンズ・ルーム、屋外のラウンジを新設した。1室51平方メートルのトリートメント・ルームは、各部屋にマッサージ・ルームとリラクゼーション・エリア、着替え用スペース、シャワーとバスタブを完備した完全個室。アジアの工芸品とハワイのハンドメイド・キルトが調和した室内装飾、そして中庭の緑がゆったりとした空間を演出している。

 注目は、新しく生まれ変わったザ・カハラ・スパを使用したスパ・パーティ・プランだ。屋外のラウンジにフード・ステーションを設置し、各種料理を用意するほか、スパ・パーティならではのハイライトとして10分間のミニ・フェイシャルやフット・マッサージ、ボディ・ストレッチ、首と肩のマッサージ、シェービングなどのスパ体験を提供する。参加者は屋外ラウンジやトリートメント・ルーム、メンズ・ルームなどを巡り、好きな時に好きなプログラムを受けることができるシステムだ。

 今年9月には実際に米国の旅行会社がスパ施設全体を貸し切り、25名のグループで利用している。その際は「Shake it up with The Kahala!」のテーマにあわせ、シェイクの“シャカシャカ”音のするメニューをそろえたのがユニーク。屋外ラウンジにフード・ステーションを並べ、揚げたてのドーナツを好みのパウダー(チョコ、シュガー、乾燥梅干風味の「リヒムイ」など)で“シャカシャカ”とまぶしたり、特製マティーニを“シャカシャカ”とシェイクしたり・・・、といった具合だ。そのほか料理では、ココナッツ・シュリンプ、チキンテンダー、マヒマヒ・フィレ、サラダなども用意した。

 どのようなタイプのグループにも適したプログラムだが、疲れた体を癒すことができるため、特に「お疲れさま」の意味あいのパーティにおすすめだとか。スパ全体を貸し出すことになるので、時間帯は夜が好ましいとのこと。メンズ・フェイシャルやシェービングもあるため、男性だけのグループにもすすめたい。


ワイキキ・パークのプール・パーティ

091224hwi_02.jpg  ハレクラニの姉妹ホテルで、ハレクラニの向かいに位置するワイキキ・パーク・ホテルは、2006年に改装を実施し、モダンでスタイリッシュなホテルとなっている。1階にはホスピタリティ・ラウンジ「コネクト」があり、専任コンシェルジュがさまざまなリクエストに対応。ハレクラニのレストランやスパもサインひとつで客室にチャージできるほか、ルームキーを提示するだけでホノルル美術館やビショップ・ミュージアムに無料で入館できるサービスもある。

 料飲施設は1階に「ノブ・ワイキキ」が入っている。ジャパニーズ・キュイジーヌを確立した国際的なシェフ松久信幸氏が世界中で展開するレストランで、ここがハワイの1号店。シックでモダンな店内は、バー、ラウンジ、寿司カウンター、一般席、個室を備え、グループの利用にも便利。個室は立食で70名、着席で60名に対応するほか、店全体の貸し切りで250名のグループに対応することができる。

 また、8階のプールエリアが新しくなり、ここで斬新なパーティをしている。10月の研修ツアーでは、最終日のレセプションをこの場所で実施した。8階という高層のオープンエリアは、周囲の建物から漏れる明かりがイルミネーションのように美しく、思った以上に幻想的。建物の壁をスクリーンに見立て、レーザー光線で文字や映像をスライドショーのように映していたのも良いアイデアだ。

 印象的だったのは、青い光でライトアップされたプールに浮かぶ女性ダンサーの演出。初めは生身の人間だと思えないほど静かにプールの水に身を任せ、ゆったりとパフォーマンスを繰り広げていたのが何とも不思議な雰囲気をかもし出していた。また、「ノブ・ワイキキ」が提供する和風の料理を味わっていると、どこからともなく道化役のダンサーが現われた。談笑している人たちの間に割って入ってきたり、話の輪から1人だけをどこかに連れて行ってしまういたずらをするのが彼の役どころらしい。パーティに不慣れな日本人や、手持ち無沙汰にしている人をフォローする意味でも有効だろう。ダンスカンパニーから手配したダンサーだというが、プールのダンサーと道化役のダンサーのわずか2名によるパフォーマンスにもかかわらず、強い印象を残す演出となっていた。プールエリアのキャパシティは50名程度。これまでに卒業式やファッションショーなども開催されたという。


グループ向けの個室も備えた ウルフギャング・ステーキハウス

091224hwi_03.jpg  2009年2月、ロイヤル・ハワイアン・センターのC館3階に、ニューヨークで人気の「ウルフギャング・ステーキハウス」がオープンした。名物メニューは、最高級の熟成ビーフステーキ。専用の熟成室で約1ヶ月間熟成させた肉は、やわらかさと凝縮された旨味が特徴。カットされているので食べやすく、大勢でつまみながら盛り上がることができる。また、ステーキ以外のメニューも豊富で、サーモンやロブスターなどのシーフードもチョイスできるほか、各種ワインも取り揃えている。

 ニューヨーク店を踏襲したインテリアは、大きな窓から太陽の光が差し込む明るい造り。約225坪に198席を備え、個室も用意されている。2つの個室で約100名のグループに対応可能。50インチのTVスクリーンも利用でき、さまざまな要望に応えることができる。

 

今週のハワイ50選
ダイヤモンド・ヘッド(オアフ島)
ワイキキ(オアフ島)
ビショップ・ミュージアム(オアフ島)

 

取材:竹内加恵