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ボイス・フロム・ハワイ:ハイアットワイキキ ブラッド・メトラー氏

 

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 世界的な景気後退や新型インフルエンザの影響から徐々に持ち直しているもの、旅行市場は依然として厳しい状況にあります。ワイキキのホテル業界も同様ですが、競争が激化するなか、改装によるイメージ刷新など、常に新しいイメージを保つ努力も欠かせません。今回は日本人旅行者の利用が多いハイアットリージェンシーワイキキビーチリゾート&スパのマーケティング・ディレクターのブラッド・メトラー氏に、最近の旅行者の動向やホテルの取り組みについてお聞きしました。
                   
                  
ハイアットリージェンシーワイキキビーチリゾート&スパ
マーケティング・ディレクター ブラッド・メトラー氏

 


Q.ハワイを訪れる観光客の最近の動向について、どのように見られていますか

091126_hwi_002.jpg 日本人の観光客だけでなく、アメリカ西海岸、韓国、中国を含め、どのマーケットも旅行に関して消極的になっています。旅行をするにしても、近場で済まそうと思うのではないでしょうか。

 今、ハワイのホテル業界は、小さくなってしまったパイの中での勝負を余儀なくされています。その中でどれだけシェアを増やしていけるかが鍵となります。日本からのフライトの便数も数年前から減ってきており、旅客輸送量に限りがありますから、厳しいのが現状ですね。現在、当ホテルの宿泊客の60%から65%は日本人マーケットで占められていますので、日本は大切なマーケットではありますが、今は特定のマーケットに向けてではなく、すべてにアプローチをしていかないといけない状況とも考えています。


Q.今年の夏から秋にかけての宿泊客の状況はいかがでしたか

 今年のゴールデンウィーク以降は新型インフルエンザの影響による観光客の減少が大きく響き、夏までその傾向が続いていたのは否めません。ただ、その後は最近の円高、燃油サーチャージの廃止などが功を奏して、日本からハワイに到着された方が増加しました。なかでも9月のシルバーウィークは、日本からかなりのお客様が来島し、当ホテルでも9月の稼働率は90%に達しました。


Q.競争が激化しているなかで、具体的にはどのような対策をとられているのでしょう

091126_hwi_003.jpg 近年、ワイキキの多くのホテルやショッピングセンターで、大掛かりなリノベーションを実施していますが、当ホテルでも力を入れています。相乗効果というのでしょうか。多くのホテルがリノベーションをすることで、旅行客にワイキキを常に新たな発見が期待できるデスティネーションとして考えてもらえればいいと思います。また、旅行会社とのコミュニケーションを緊密にすることで、例えば大きなコンベンションがハワイで開催される場合の団体客などに、宿泊先として利用してもらえるよう努力しています。

 また、今まで月に1回開催していたカルチャーイベント「アロハフライデー」を、今年から毎週金曜の開催にし、頻度を高めました。ファイヤーダンス、フラショー、そしてレイ作りなど、ハワイでしか体験できないことを提供していきたいと考えたからです。


Q.最近の日本人客の消費傾向についてどのように感じられていますか

 以前のように、食費を切り詰めて、あるいはアルバイトを掛け持ちしてでもブランド品を買うような若者の姿は見かけなくなりましたね。今は年齢を問わず、日本人、アメリカ人やカナダ人も、ハワイでの滞在中の合計出費額は減っています。ハワイ州産業経済開発観光局(DBEDT)の今年8月の累計データによると、日本人の場合は1日あたりの平均消費金額は265米ドル、アメリカ人やカナダ人は平均150米ドル前後にとどまっています。

 最近は消費者個人が、多くの情報を入手できる状態にあります。インターネットを使って、どのホテルのどの客室がお得なのかなどを調べることは結構簡単にできます。「ハイアット」というブランド名は、おかげさまでアジア太平洋地域の国々から一定の評価を受け、ブランドイメージが確立されてはおりますが、それでも最近はいわゆる“値ごろ感”というか、ブランドへのロイヤリティよりは、少しでも安い方を好む傾向は否めません。ただし、ワイキキは他のリゾート地に比べて比較的値段の浮き沈みが少ないのがせめてもの救いです。


Q.貴ホテルの最近の活動を教えてください

091126_hwi_004.jpg 当ホテルでは、2年ほど前に「トラディショナル・ビンテージ・ハワイアン」をテーマにした客室の改装を実施しましたが、さらに今年は各フロアの廊下を明るく、モダンな感じのするカーペットに張り替えました。また来年9月からはホテルにある3軒のレストラン、およびエクゼクティブフロア「リージェンシークラブ」の改装も予定しています。

 リノベーションと並んで力を入れていることが、グリーン活動です。節電や節水はもちろん、各社員が新聞、段ボール、プラスチックやアルミニウムなどのリサイクルを心がけ、年間で225トンの段ボールや82トンの瓶、8646ガロン(約3万2725リットル)もの料理用油などのリサイクルを可能にしました。館内だけでなく、スタッフがボランティアと一緒に定期的に開催されるビーチ清掃にも参加しており、2008年にはハワイ州政府が環境に責任を持つビジネスに対して認定する「グリーンビジネスプログラム」に、ホテル業界では当ホテルだけが選ばれました。これからもグリーン活動にはますます力をいれていきたいと思っております。


Q.日本の旅行会社への提案はありますか

 今はインターネットによる情報も充実し、サイトで値段を見比べることも容易ですが、もしそのなかで料金に満足がいかない場合、そこで踏みとどまらず、直接ホテルに電話をかけてみてほしいですね。直接交渉することで、ホテル側もフレックスに対処する場合もあります。もちろん情報は大切ですが、コミュニケーションも欠かせないということです。このような不況の時期だからこそ、お互いに関係を強化しておくことは大切だと思います。そうすることによって景気が上向いたとき、双方にとってよりよい仕事ができるのではないでしょうか。


Q.最後に週末のお気に入りの過ごし方を教えてください

 私はハワイの前はアメリカ本土のレイク・タホに勤務しており、ハワイには今年4月に赴任しました。ハイアットでの勤務は、サンディエゴ、アルバカーキーなどを含めて14年間になります。ハワイに来てからはダイヤモンドヘッドなどでの、ハイキングを楽しんでいます。また、ワイキキを離れて、ノースショアのハレイワや東のハナウマ湾に行き、のんびり過ごしていますね。


ありがとうございました

 

取材:堀内章子