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冬はゴルフファン待望の季節、プロの熱戦を

冬のハワイはゴルフのシーズン
~トッププロの熱い戦いを間近に、トーナメント観戦からプレイも可能~

100128hwi_top.jpg  1月から2月のハワイは、ゴルフファン待望のシーズン。トップレベルのゴルファーが出場するプロのトーナメントが、ハワイ各島のコースを舞台に集中して開催されるからだ。いつもはテレビでしか見られないプロの妙技を間近で見られるのが会場で観戦する醍醐味だが、地元のファンと一緒に大会の雰囲気を分かちあったり、ビッグトーナメントならではの臨場感を肌で感じられるのも現地に足を運べばこそ。今回はこの時期にハワイで開催されるゴルフトーナメントを紹介するとともに、観戦の楽しみ方やマナーにも触れる。

 

 

注目のトーナメントが各島で開催

100128hwi_01.jpg 毎年1月の第1週に、PGAツアーのシーズン開幕戦として開催されるのが「SBSチャンピオンシップ」だ。アメリカ本土での開催も含め16年間タイトルスポンサーであったメルセデスベンツに代わり、2010年からは韓国のSBS(ソウル・ブロードキャスティング・システム)がトーナメントのタイトルスポンサーになっている。開催地はマウイ島のカパルア・リゾートにあるプランテーション・コース。前年のPGAツアートーナメントの優勝者のみに出場資格が与えられるため、出場者数は30人前後と少ないが、豪華な顔ぶれがそろうだけに、見ごたえは十分といえるだろう。

 その翌週にはオアフ島にある名門のメンバーコース、ワイアラエ・カントリークラブで「ソニーオープン」が開催される。2010年の開催日は1月11日から17日だったが、「SBSチャンピオンシップ」に参加したプロのほとんどがそのままソニーオープンに出場するため、ここでも上位で活躍している選手のプレイを存分に観ることができる。

 この後、1月の第3週に入ると、ハワイ島のフォーシーズンズ・リゾート・フアラライ・アット・ヒストリック・カウプレフ内にあるフアラライ・ゴルフコースでPGAチャンピオンツアーの「三菱電機チャンピオンシップ」が開催される。2010年は1月22日から24日が開催日だった。同大会は2008年まではマスターカードがタイトルスポンサーであったが、2009年からは三菱電機となった。50歳を過ぎたプレーヤーに出場資格が与えられるPGAチャンピオンツアーのトーナメントであるが、レギュラーのPGAツアーと両方で活躍しているプレーヤーも多く、2009年の優勝者のランガーもその一人である。

 これら3つのPGAツアーおよびチャンピオンツアーのトーナメントのなかでも、唯一オアフ島で開催されるのがソニーオープンであり、日本のアマチュアゴルファーに最も知られているトーナメントともなっている。ソニーのスポンサー契約は2010年で終了する予定であったが、2011年まで延長し、それ以降は今後検討していくというニュースが昨年12月の初めに発表され、関係者および地元のゴルフファンを安堵させた。

 

日本人にも人気のソニーオープン

100128hwi_02.jpg ソニーオープンの会場であるワイアラエ・カントリークラブはワイキキからも近く、トーナメント開催中はワイキキの各主要地点から会場までシャトルが30分おきに運行される。料金も片道2米ドルと手頃。レンタカーなど車で行く人のためには無料の駐車場を用意し、そこから会場まで送迎シャトルが頻繁に出ている。こうした利便性もあり、ワイキキ滞在のついでにゴルフトーナメントを見てみたいという人にも、手軽に観戦できる大会といえるだろう。当日チケットは20米ドル。会場のゲートで販売している。

 足を運んだのはトーナメント2日目。会場はゴルフファンで賑わっていた。2日目のラウンドはプレーヤーにとって、予選を通過できるか否かの大切なラウンドでもある。全出場選手のプレイが観られるというだけでなく、地元の高校生プロゴルファーのタッド・フジカワ氏が出場していることも手伝ってか、大勢のギャラリーが集まった。

 会場入口の前には「携帯電話、カメラ、大きなバッグ等は持ち込み禁止」と大きなサインが掲げられている。チケット売り場の前で警備員にバッグを開けるように指示されるが、非常に丁寧な対応だ。携帯電話、カメラなど持ち込めないものは、係員が帰りまで預かってくれるが、なるべく荷物は小さくし、必要な物だけを持って会場に出かけるように心掛けたいものだ。ちなみに、プレーヤーのスタート時間は当日の朝までには発表されるので、お目当ての選手がいれば事前に調べて出かけるようにしたい。

 会場に入るとすぐ目の前にプロショップがあり、ここもたくさんの人で賑わっていた。店内には、ワイアラエ・カントリークラブとソニーオープンのロゴ入り商品が豊富にそろっていた。ロゴ入りボールマーカーや帽子が一番よく売れているそうだ。選手のサインをもらうためか、コースに出る前に白い帽子やバイザーなどを買っている人も多く見られた。選手にサインを求める場合、たいていの選手はサイン用のペンを所持しているが、持っていない選手もいるのでマーカーを準備しておいたほうが無難である。サインをしてもらうタイミングは、練習場や、最終ホールを終えてグリーンを降りた後が適切だが、選手によって対応が異なるので状況をみて判断することをすすめる。

 

プロ&アマ注目のパールオープンは2月開催

100128hwi_03.jpg もうひとつ、忘れてはならないトーナメントが2月に開催される。日本のプロゴルファーやトップアマチュアの間では知名度の高い「パールオープン」である。1979年から2009年まで計31回開催され、地元のゴルファーの間でも高く評価されているローカルトーナメントで、2010年は2月12日から14日までの3日間にわたって開催される。入場が無料というのもうれしい話だ。

 会場となるパールカントリークラブはその名の通り、コース内の至るところからパールハーバーが眺望でき、起伏に富んだチャレンジジングなコースである。出場者の半分ほどは日本からのプロやオフィシャルハンディー4以下のアマチュアで、これまでにも1997年と2002年の2回優勝を飾った室田淳プロを筆頭に、日本から参加したプロが11回優勝をしている。矢野東プロが優勝を飾った2008年は、石川遼選手がプロ入り後初めての出場だったということもあり、日本からのマスコミばかりでなく地元の報道関係者も多数押し寄せ、新星16歳のプロに注目が集まった。その前年の2007年には、地元ハワイのアマチュア高校生プレーヤー、タッド・フジカワ氏が優勝するなど、毎年ゴルフファンを興奮させてくれるトーナメントであり、それが31回も開催される理由のひとつかも知れない。

 

人気トーナメントと同じ条件のグリーンに挑戦

100128hwi_04.jpg 冬の間、ハワイはゴルフトーナメントで賑わい、プロゴルファーはもちろん大勢のゴルファーがハワイを訪れる。トーナメントの開催コースは当然だが、マンデートーナメント(出場権のない選手を対象に事前に開催される予選会)をホストするコースやその周辺のコースにも当然、整備に力が入る。それだけに、ゴルファーにとってはかなりよい状態のコースでプレイができる時期ともいえる。一部、会員制のコースがあるが、ビジターの利用が可能なコースもあり、トーナメントの最終日と同じピンポジションで、同じ状態のグリーンに挑戦するという、この時期でなければできない体験を提案してみたい。ゴルフファンのFIT客はもちろん、インセンティブなどMICEのアクティビティとしても喜ばれそうだ。

 

今週のハワイ50選
ワイキキ(マウイ島)

 

取材:トシコ・ワイト