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体験レポート:ワイキキ周辺ローカルタウンを散策

ワイキキ周辺ローカルタウンを散策
~羽田便利用の最終日の過ごし方にもおすすめ~

101216_ghwi_01.jpg 羽田/ホノルル線就航でハワイ滞在に変化が起きている。便利になったのは、会社帰りの出国が可能になった点だけではない。帰国便のハワイ出発時間が夕刻のため、出発当日が有効に使えるのだ。そこで今回は、最終日の過ごし方としてもおすすめできる、ワイキキ周辺のローカルタウン散策を紹介する。

                  

                   

プラン1:カパフルエリア
アロハシャツから各国料理まで多彩な街


101216_ghwi_02.jpg ホノルル発羽田行きの出発時間は、各航空会社とも夕刻である。午後6時出発とすれば、ワイキキのホテルを出るのは午後3時30分頃で十分。午前中、アクティビティに参加したり、買い損ねた土産物を買ったりしても、ホテルに戻ってシャワーを浴び、荷作りをする時間はたっぷりある。

 とはいえ出発日はあわただしく過ごしたくないということであれば、おすすめしたいのが、ワイキキからひと足伸ばしただけの距離にあるローカルタウンの散策だ。たとえば、ワイキキの東端から山側に広がるカパフルエリア。朝比較的早めに出かければ、カラカウア通りからワイキキ動物園手前を左折し、ここからブラブラと歩きはじめるのもいい。土日なら午前9時から午後4時まで、ワイキキ動物園の東側、モンサラット通りに面したフェンス沿いで、地元アーティストが自分の作品を並べて販売する「アート・オン・ザ・ズー・フェンス」が開催されているので、ここでひとときを過ごすのも一興だ。小作品やポストカード、カレンダーなど、旅行者が気軽に購入できるものもあるし、地元のアーティストたちとの会話も楽しい。

 さて、海を背にカパフル通りを歩き出そう。カラカウア通りのように店がびっしりと軒を連ねているわけではないが、道の両側にレストランや雑貨店など、ついのぞいてみたくなる店が点在している。

 まず右手に現れるのが、プレートランチで有名な「レインボー・ドライブイン」。ボリュームたっぷりの各種プレートランチが6米ドルから7米ドル程度。そして、そのすぐ先にあるのが「世界最大のアンティーク・アロハ・シャツ」の看板を掲げた「ベイリーズ・アンティークス」だ。店にはアロハシャツ・フリーク垂涎の品物がずらり。1万5000着以上のアロハシャツがところせましとディスプレイされていて圧倒される。なかでも必見は、天井から吊るされた高価なヴィンテージの逸品。日本円にして数十万円のものもあり、買わずとも見応えたっぷりだ。レイン・スプーナーやシグ・ゼーンほか入手困難な人気デザイナーのシャツも並ぶほか、3.99米ドルから入手可能な中古の品揃えも豊富である。

 さらに歩みを進めれば、日本料理、タコス、中華、アメリカン、ベトナムなど各国料理のレストランや各種スポーツショップ、雑貨店、アンティークショップなどバラエティに富んだ店が次々と登場し、そぞろ歩きが楽しい。


ハワイ最終日のランチをのんびりと

101216_ghwi_03.jpg ハワイ最終日のランチをハワイアンフードで締めくくるのもよいだろう。カパフルエリアでは、「オノ・ハワイアン・フーズ」が有名だが、2009年には近くに「ハイリーズ・ハワイアン・フーズ」がオープンした。カルアピッグ、ラウラウ、チキン・ロングライス、ロミロミサーモン、ポキ、ハウピア、ポイというハワイアンフードのオールキャストが揃ったボリュームたっぷりのプレートランチ「ビッグ・カフナ」が13米ドル。もちろんそれぞれ単品でも注文可能だ。

 ハワイで食べるハンバーガーは格別と感じているなら、スーパーマーケット「セーフウエイ」の敷地内にある「バーガーズ・オン・ザ・エッジ」へ。パテ、チーズ、ソース、トッピング、パンの組みあわせでオリジナルメニューが楽しめる。それぞれのチョイスに加え、サイドメニューやドリンクまで、オーダーシートにチェックしてカウンターで示せばよいので、英語に自信のない人もスムーズに注文できる。サイドメニューには、酸味の効いたレムラードソース付きのスイートポテトフライが美味。

 カパフル散策の締めは、セーフウエイの斜向いにある「レナーズ」へ。1つ70セントのマラサダで日本人観光客にもすっかり有名になったが、地元の人にも大人気のベーカリーだ。持ち帰るもよし、店の外のベンチで食べるのもよし、話題のB級グルメが満足感を高めてくれるに違いない。

 カラカウア通りとの交差地点からカパフル通りを歩きはじめると、レナーズまで約2キロ。コンパクトに散策がしたいのであれば、クヒオ通りからカパフル通り(キャンベル通り近く、もしくはひとつ手前のレアヒ通り近く)まで、ザ・バス13番を利用するのも手だ(所要時間10分弱)。レナーズまでは約1キロと手軽な散策にはちょうどいい。復路は14番と2番のバスを乗り継ぐか、バス停までしばらく歩いて4番に乗るかしなくてはならないので、時間が気になるのであればタクシーを使うことをおすすめしたい。店でタクシーを呼んでもらえば10分も待たずにタクシーに乗れる。

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プラン2:カイムキエリア
ローカルに人気のレストランが集まるワイアラエ通り


101216_ghwi_05.jpg もうひとつのおすすめプランが、ワイアラエ通りを中心とするカイムキの散策だ。カパフルエリアから距離はさほど離れていないが、最終日に訪れるなら、どちらかひとつのエリアをゆっくり歩き、ティータイムとランチを楽しんでホテルに戻るくらいがちょうどいい。

 カイムキの散策のスタート地点は、ワイアラエ通りとココヘッド通りが交わるあたりがいいだろう。ワイキキから向かった場合、ゆるい坂を上がり切った地点となり、反対側の坂の先には青い海が見える。

 地元に住む人によれば、かつてはワイキキトロリーのルート上にあったため、日本人を含む観光客が大勢訪れていたが、その後、カハラモールを通るルートに変更されたことで、次第に観光客の足が遠のき、当時多くあった日本料理レストランも次々撤退したのだとか。しかし、地元の人々にとっては、今も人気のグルメエリア。ワイアラエ通りは「グルメストリート」として知られていて、ベトナム料理「ハレ・ベトナム」、フレンチ「カフェ・ミロ」、オーガニック「タウン」、アメリカン「ビッグ・シティ・ダイナー」などの人気店が目白押しだ。このほかにも、タイ、ネパール、メキシコ、イタリア、中華など各国料理のレストランが点在している。

 もちろん、ちょっとひと休み、というときにうってつけのカフェも多彩。ココヘッド通りからほど近い場所には、地元の人々がくつろぐカフェ「コーヒートーク」。ワイアラエ通りをさらにワイキキ方面に下れば「カフェ・ローファー」がある。ここは、ローカルの投票でハワイのさまざまな「ベスト」を決める「ベスト・オブ・ザ・ベスト」で2009年の「ベスト・オブ・デザート」を受賞した店で、こじんまりした店の奥にあるショーケースには、自家製のケーキやマフィンがずらり。各種マフィンはどれも甘過ぎないやさしい味で、煎れたてコーヒーとの相性抜群だ。居心地のよい店内ではテーブル客がゆったりと時間を過ごす姿が見られるほか、コーヒーやペストリーをテイクアウトしていく人も後を絶たない。

 さらに歩みを進めたところにあるのが、ビストロ「JJビストロ&フレンチペストリー」。20米ドル程度で4コースメニューが楽しめるとあって、地元の家族連れなどが多く訪れるビストロだが、アジアン・フレンチの料理と合わせて人気なのが、ピラミッド型のチョコレートケーキをはじめとするケーキ類。店には、お客がひっきりなしに訪れ、ショーケースに並んだケーキ類を幸せそうに眺めてはテイクアウトしていく。


ゆったりとハワイアンタイムを楽しむ

101216_ghwi_06.jpg ワイアラエ通りには、多彩なレストランに混じって雑貨店や古着店もあるので、ランチやお茶の合間にのぞいて歩くのも楽しいだろう。

 アジアン雑貨や自らがデザインした洋服を売る「インディジェ・デザイン」もそのひとつだ。ロン・アーウィンさんは日本でのビジネス経験を持つデザイナーだが、あえて中心街から離れたこのエリアに店を構える理由を聞けば、「日本もワイキキも忙しすぎる。時間のゆっくり流れるカイムキが自分にはあっている」とのこと。

 タクシーを使えば10分から15分の距離のカイムキ/ワイキキ間は、公共交通機関を使うとなればザ・バスを乗り継ぐしかない。トロリーのカイムキルート復活を望む声も少なくないが、観光客が少ないことも街の魅力のひとつとすれば、ひそかに足を運んでロコ気分を味わうのも悪くない。レストランに入れば、カイムキを愛する地元の人々の穏やかな生活が垣間見える。「JJ」では、仲良く食事を楽しんでいた年配の夫婦が、こちらを見て「おいしいでしょ」とにっこり目配せしてくれた。

 ハワイ滞在最終日に、ローカルタウンでのんびりとしたハワイの空気を満喫する。こんな楽しみ方が、実はハワイにリピートするポイントになるかもしれない。

 

今週のハワイ50選
ワイキキ(オアフ島)
ハワイアンフード(オアフ島)


 

取材協力:ハワイ州観光局(HTJ)、日本航空インターナショナル、アウトリガー・エンタープライズ・グループ
取材:佐藤淳子