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ライフ&カルチャー:ハワイで迎えるお正月

~カウントダウンの花火から初詣、旧正月まで盛りだくさん~

110120_hwi01.jpg クリスマスから年末年始にかけ、今年も観光客で大変賑わったハワイ。大晦日が年末年始イベントの中心となるアメリカ本土とは少し事情が異なり、アジアの文化の影響も強いハワイでは、初詣など正月イベントもまた深く根付いている。以下、今後の参考までに2010年から2011年のハワイの年末年始イベントを振り返るとともに、これから本番を迎えるチャイニーズ・ニューイヤーについても紹介しよう。



ローカルの年越しスタイルは?

110120_hwi02.jpg まず大晦日だが、ハワイで大晦日といえば花火!クリスマス翌日からスーパーマーケットには花火の特設売り場が登場し、前日までのクリスマスムードを払拭する。爆竹や花火を楽しみながら賑やかに新年を迎えるのが、ハワイでの典型的な大晦日の過ごし方。ちなみにこの習慣はアメリカ本土では見られず、中国系住民の多いハワイならではの光景だ(ただし個人で楽しむ花火についてはオアフ島に限り、2011年から爆竹を除いて禁止されることになった)。

 花火といえば、大晦日にはワイキキビーチやダウンタウンのアロハタワー・マーケットプレイスでも、盛大な花火が打ち上げられる。ワイキキビーチでは皆がビーチに座り、新年へのカウントダウンをしながら待機。深夜24時を回ったところでビーチ上に花火が上がり、盛り上がりは最高潮を迎える。アロハタワーでも同様だ。除夜の鐘の音を聞きながら迎える日本の年越しとは趣きが異なるが、野外でカウントダウンをしながら過ごすアメリカ式の年越しもまた、味わいがある。

 このアロハタワー・マーケットプレイスをはじめワイキキのホテルやレストランでは、パーティやコンサートを楽しみながら年を越し、花火を観賞するイベントを企画するところも多い。2010年のアロハタワーでの大晦日パーティは、特設会場に入場料(20米ドル)を払って入り、音楽やダンスを満喫するという趣向だった。会場には7つのステージが設けられ、20時から深夜2時まで、たくさんのローカル客で賑わった。

 ワイキキのホテルでは、例えばヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ビーチ・リゾート&スパでは、午後9時からパーティを開催。今回はハワイアンミュージックの大御所、セシリオ&カポノなど2組のアーティストを迎えてコンサートを催した(シャンペンのハーフボトル、ギフト付きで75米ドル)。またモアナ・サーフライダー・ウェスティン・リゾート&スパでは、タロット占いやフェイス・ペインティングなどのお楽しみ付きでのデザート・ビュッフェ・パーティ(午後9時~翌午前1時、100米ドル)を実施。シェラトン・ワイキキやロイヤル・ハワイアン・ラグジュアリー・コレクション・リゾート・ワイキキでもレストラン単位でパーティを開き、新年を祝った。変わったところでは、クルーズ船での年越しパーティに参加しながら、花火を愛でるという企画も毎年登場。昨年もナバティック・クルーズ(155米ドル~)、スター・オブ・ホノルル(127米ドル~)など4社がパーティ・クルーズを運航した。

 ほかにもワイキキを中心に、例年、多くのレストランが大晦日の特別メニューを用意している。ただしほとんどがセットメニューであり、着席の時間帯が定められていることも多い。大晦日の夜はどこも大変混みあうので、必ず早めに予約を入れた上で出かけたい。また年越しパーティのなかには21歳以上の年齢制限を課している場合もあるので、予定を立てる前に確認しよう。



初詣でに福袋。日本の習慣も根強く

110120_hwi03.jpg そして一夜明けた元日。日系人の多いハワイでは、神社や寺院への初詣でという習慣も浸透している。ホノルルではハワイ出雲大社(ダウンタウン)、ハワイ金刀比羅神社(カリヒ)、本派本願寺ハワイ別院(ヌウアヌ)などが大晦日深夜から参拝客で混みあい、日本の正月そのものの光景が展開される。なかにはお雑煮やお屠蘇を振る舞うところもあり、常夏のハワイでも、情緒豊かな日本風のお正月が体験できる。

 日本風といえば、アラモアナセンターやロイヤル・ハワイアンセンターでは、元日に福袋を販売する。今年はアラモアナセンターで約50店、ロイヤル・ハワイアンセンターでは約30店が福袋を用意した。今や福袋はそのまま「Fukubukuro」と英名でローカルの人々の間でもポピュラーな存在になり、元旦からショッピングセンターに駆けつける人も少なくない。もちろん観光客にとっても、ハワイの福袋はねらい目だ。

 余談になるがハワイでは門松も一般化していて、「Kadomatsu」として一般のスーパーや花屋で販売している。また、正月料理では、マグロの刺身が欠かせない。そのため、ハワイでは正月が近づくとマグロの価格が上昇。年末には例年、「今年の大晦日のマグロの価格はいかに?」といった記事が地元紙を飾るのもお約束。日本で年明けのマグロの初競り価格が大きく報じられるのとは対照的で面白い。



チャイニーズ・ニューイヤーのお祝いも盛ん

110120_hwi04.jpg これからイベントが目白押しのチャイニーズ・ニューイヤー(中国旧正月)についても触れておこう。今年のチャイニーズ・ニューイヤーは2月3日。ホノルルのチャイナタウンでは、以下のように多彩なイベントが予定されている。この時期にホノルル入りしたなら、ぜひロコに交じって中国のお正月を楽しんでみてはいかがだろうか。夕方以降、周辺は人の行き来が少なくなるので十分な注意が必要。日中のイベント見学をおすすめしたい。

▽チャイニーズ・ニューイヤー・フェスティバル
日時:1月21日、22日午前10時~午後10時
場所:チャイナタウン・カルチュラル・プラザにて
内容:食べ物やクラフト、占いの屋台、中国の武術のデモンストレーションなど

▽第62回 ナルキッソス・フェスティバル&チャイナタウン・オープンハウス
日時:1月28日午後6時~午後10時
場所:チャイナタウン・カルチュラル・プラザ周辺
内容:水仙の女王(ミス・チャイナタウン)がチャイナタウンを訪問。獅子舞のほか食べ物の屋台、エンターテイメントなど

▽ナイト・イン・チャイナタウン・フェスティバル
日時:1月29日午前9時~午後10時30分 
場所:マウナケア&スミス・ストリート
内容:大がかりなストリートパーティ。食べ物やクラフトの屋台、2つの特設ステージでの民族舞踊、武術のデモンストレーション、獅子舞、ドラゴンダンスなど

▽ナイト・イン・チャイナタウン・パレード
日時:1月29日午後3時30分~午後5時30分
場所:ホテル・ストリート
内容:カンフーの使い手や獅子舞、ドラゴンダンスのグループを含むパレード



今週のハワイ50選
ワイキキ(オアフ島)
ダウンタウン(オアフ島)
アラモアナセンター(オアフ島)

 

取材:森出じゅん