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体験レポート:ココ・クレーター植物園でお花見ウォーキング

植物園でお花見ウォーキング
~ココ・クレーターで季節の花々からサボテンまで~

 

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ホノルルも4月に入り、本格的な花のシーズンが到来。白やピンク、黄色などのプルメリアの花が咲きそろい、5月のレイデーに向けてこの花が注目される時期でもある。そこでおすすめなのが、植物園でハワイならではの花々を楽しむお花見ウォーキング。今回は3世代を含めたファミリーやアクティブシニアでも楽しめる、オアフ島東にあるココ・クレーター植物園でのウォーキング体験について紹介する。
                     
                     
                     
園内で春の訪れを実感

110428_hwi02.jpg ココ・クレーター植物園はオアフ島の東、ハナウマ湾にほど近いハワイ・カイ・ゴルフコースのそばにあるココ・ヘッドのクレーターの中に位置している。植物園入口でもらえる無料のパンフレットによると、このクレーターは10万年以上も前の噴火でできたもので、現在は死火山となっている。こじんまりとした園内には、ハワイの乾燥地で生育する植物や、アメリカ本土砂漠地帯のサボテン、そしてアフリカサバンナで生育する植物が集められている。

 植物園への入場は無料だが、駐車場は舗装もなく、2キロ近くある園内のハイキングコースのトレイルもそれほどきちんと整備されているわけでもない。多くの人が歩いたことによって作られた道を歩く、そんな印象の場所ではある。とはいえ、すれ違う日本人観光客からは、「お花見の時期にここに来てよかった」と、ハワイでも春の訪れを感じることができたようだ。やはり四季のある日本で育った日本人にとって、春は花見の季節なのだろう。


プルメリアからサボテンまで

110428_hwi03.jpg まず、園内で迎えてくれるのは、色とりどりのプルメリアの木だ。特にプルメリアの林には赤や白、黄色のプルメリアが集められていて、あたり一面甘い香りが漂っていた。そしてその次にブーゲンビリア。香りはほとんどないが、ピンクの色は鮮烈でとても目立ち、心も弾む。この花を後にすると、上り坂のハイキングがはじまる。

 しばらく進んでいくと、「カクタス・ガーデン」と呼ばれる、サボテンなどを中心としたエリアに到着する。たくさんのアロエの葉がある中に、黄色の花をつけている種類を発見。アロエの花はまるで小さなバナナのようだ。横にはたくさんの丸いサボテンの花が咲いている。丸いサボテンは、ゴールデン・バレル・カクタスと呼ばれ、メキシコの中東部でよく見られる種類とのこと。もう少し歩くと、中央アメリカで育つ木の葉サボテンのペレスキアがある。このサボテンは約1.8メートルまで成長するといわれており、そのトゲは、グアテマラでは針として重宝されていたと、植物園のパンフレットに書かれていた。

 一本道をさらに上っていく。時々姿を見せる野生のマングース。本当に手つかずの自然の森を歩いているような気分だ。サボテンの群れを過ぎて坂を上り、少し暑くなってくると、ほどよい具合に平らな道になってくる。そして、次に見えたのがウィリウィリの木。この木はサーフボード、釣りの浮き具、アウトリガーカヌーなどに使われている木だ。他にもソーセージツリーと呼ばれる、大きなうりのような実を付けた、アフリカ原産の木もあった。

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ハイキングとともに学べる要素も

110428_hwi05.jpg ハイキングは子どもからシニアまでを想定しているのか、それほど多くの人が行き来するわけではない割に、数多くのベンチが設置されている。20分から30分歩いて少し疲れたころに「じゃ、あのベンチに座ろうか」という具合に、子ども連れの人でもちょっとひと休みができるのもよいところだ。

 ハイキングも後半に差しかかってくると、平らな道から少し下り坂になってくる。今度はケニアやエチオピアでみられるモリンガという樹木を見つける。この種子は、泥水を浄化するための天然凝固剤が含まれているほか、種は栄養価が高いことで知られる。ほかにも恐竜が地球に生息していた時代から存在していたため、“生きた化石”とも呼ばれるソテツや、かぼちゃのような形の実を付けたトランスバール・ガーデニアの木、さらに砂漠の中でもたくましく咲くデザート・ローズというバラの花も見つけることができ、ハイキングをしながら面白い発見もあったりする。

 ハイキングの終盤くらいになると、道を覆うように茂っていた木々がなくなり、大きな青空が見えはじめる。ここまで来ると、大きなクレーターの内側の山壁が見られ、自分たちがクレーター(火口)の中を歩いているんだと実感できる。ハワイでは大昔に大噴火を起した時にできたこの“くぼみ”には“気”が満ちている、いわゆるパワースポットであると考える人も少なくない。

 ココ・クレーター植物園は、ゆっくりと歩いても1時間30分で回れる初心者向けのハイキングコースだが、ハワイの原種だけでなく、アフリカや中南米の樹木を見ることもできる。そしてハワイの強い日差しから守るように、大きな樹木やクレーターの壁が影を作り、心地よい風を感じながら日陰の中をハイキングできるから、気分も爽快だ。また、植物園までの道中では、真っ青な海が見えるハワイならではドライブ体験ができることも、植物園を訪問れる楽しみのひとつとして付け加えておきたい。

 

 

今週のハワイ50選
ハナウマ湾(オアフ島)
ダイヤモンド・ヘッド(オアフ島)
カメハメハ大王(全島)
ハワイアンフード(全島)

 

取材:堀内章子