旅行業界におけるITソリューションの現状とその活用法 (4/5)

これからのITソリューション、環境整備の重要性―藤井彰人氏

seminar_google.jpg オンラインビジネスをスムースに展開していくには、その環境が整っていることも大切な要素だ。藤井氏は、旅行業界を取り巻く環境を「非常にスピードを意識しており、費用対効果に敏感」と話す。新型インフルエンザや暴動、テロ事件など、なにか有事が起これば前年比でいきなり売り上げががた落ち、ということも珍しくない。「こんな業界は旅行業だけ。企業として何があっても対応できる体力をつけておかなくてはならない」という。

 そういった状況の中、ITの普及が目覚しく、日本でも航空券をネットで購入するのが当たり前というスタイルが定着。スマートフォンの普及率もあいまって、旅行業者のワークスタイルも変化し、対象となる顧客も変化している。このような変化により早いスピードをもって対応するには、IT環境の整備が必要だ。それには「クラウドコンピューティング」が有効であるという。

 クラウドコンピューティングとは、ウェブブラウザを通して提供されるアプリケーション群で、共有インフラ上で構築することができる。つまりブラウザ上でいろいろなサービスを利用できるということで、わざわざ特別なアプリケーションを購入したり各PCにインストールしたりする手間が省ける。コストや手間の削減につながるだけでなく、クラウド上でスプレッドシートをつくれば情報を共有することができ、生産性の向上につながるという。大規模なデータセンターを有し、高速なネットワークやセキュリティの高さといった信頼性をもつグーグル社のクラウドの利点をアピールした。