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インセンティブ「日本アムウェイ合同会社」

ツアーは自社でプロデュース、最上級の旅行を存分に提供
インセンティブ効果を最大限引き出すのがポイント

0514_01.jpg 家庭日用品輸入・販売業の日本アムウェイでは毎年数回、製品販売を担うディストリビューター(独立事業主)を対象に、100名から2000名が参加する大規模なインセンティブツアーを実施している。同社では専属スタッフが、ホテルやべニュー、イベント会社と直接交渉にあたっており、部分的に旅行会社を利用しつつ、ツアー全体は自社でプロデュースする点が特徴だ。同社のジェームス・コー氏に、その理由と方法を聞いた。

 

日本アムウェイ合同会社
0514_021.jpgスペシャルイベント海外グループ リーダー
ジェームス・コー氏

■日本アムウェイ合同会社 http://www.amway.co.jp/index.cfm

1979年に営業開始(2000年に旧日本アムウェイ株式会社と合併、2008年から組織と社名を変更)、日用品・化粧品・栄養補助食品の輸入/販売/開発/委託製造を事業とする。ディストリビューター(独立事業主)が身近な人に製品を直接販売する「ダイレクト・セリング」と「マルチレベル方式の報酬システム」を採用した、「MLM(マルチレベル・マーケティング)」と呼ばれるビジネスを展開。営業成績の高いディストリビューターを海外インセンティブツアーへ招待し、表彰している。


航空券、現地ツアーは旅行会社の強みを利用

 日本アムウェイでは、約2000名のディストリビューターが参加する4泊6日の「リーダーシップ・セミナー」をはじめ、「ジャパン・ダイヤモンド・フォーラム」「ファウンダーズ・インビテーショナル」など、参加資格の条件ごとに海外イベントを設定し、合計で年4回から5回開催している。1981年の開始当初は旅行会社に依頼していたが、10年前からホテルやイベントは自社で手配するようになり、旅行会社の利用は航空券と現地交通、オプショナルツアーのみとしている。コー氏によると、自社で手配する理由は「直接交渉することで誤解や手違いが少なくなる上、やり取りの返事も早い。当社の担当者も業務への責任感が増す」と述べる。現在では約10人の専任スタッフが、社内に蓄積してきたノウハウを元に、ツアーを実施する18ヶ月前から準備にあたっている。

 発注する旅行会社は毎回コンペで決定。「航空券の料金、観光プランなど各社の強みを生かしたサービス内容を吟味している」という。

 

リーダーシップ・セミナーのこれまでの開催地

フィリピン、タイ、グアム、香港、ホノルル、シンガポール、シドニー、
サンディエゴ、バンクーバー、ゴールドコースト、バンコク

 

待遇のバリエーション」、「ブランド」、「演出」でモティベーションを喚起

0514_032.jpg プランニングは、いかにしてインセンティブ効果を最大限に引き出すかが主軸となる。その方法の一つが、徹底した「待遇にバリエーションを持たせる」こと。参加者の目標達成度に応じ、ツアーごと、あるいはツアー内の随所で、飛行機の座席、ホテルのルームカテゴリー、ディナーなど、優秀者には最上級の旅行を存分に提供することがポイントだ。

 たとえば通常4泊のリーダーシップ・セミナーでも、好成績者には「1泊増加&スペシャルディナー」の特典が付く。飛行機は通常エコノミークラスだが、トップランクのツアーではファーストクラスを利用し、最高級ホテルのスイートルームに宿泊。モエ・エ・シャンドンやドンペリなど高級シャンパンを提供する。スペシャルツアーとして、過去にはファーストクラスで行く北京オリンピック観戦やモナコでのF1観戦も実施した。

 もう一つは、憧れを強める「ブランドやセレブリティ」の活用。たとえば単に「高級ホテル」というよりも、エピソードがあればその点を強調する。イベントで呼ぶゲストは、グラミー賞受賞の海外の大物アーティスト。自社で直接、事務所と出演交渉している。あるいは「食事は非常に重要で、参加者の評価が厳しい」ことから、有名シェフを起用することも。また、ティファニーの写真立てやエルメスのアメニティといった高級ブランドのギフトを用意しており、毎回このギフトを楽しみにしている参加者も多いという。

 さらに、「演出のオリジナリティ」による特別感も欠かせない要素だ。テーマパーティは新規のイベント会社と契約し、両社でブレインストーミングを重ねる。バンコクでは「ワンナイト・イン・バンコク」と題し、リングを特設してムエタイ・チャンピオンのデモンストレーションを披露。会場にはバンコクの下町風の屋台を並べる予定だ。

 また、数年前までのイベントでは、経験豊富なステージ・クリエイターに依頼。当時最先端のテクノロジーを駆使し、流れる水のスクリーンに3Dで社長のメッセージを映し出していた。お城や美術館を会場にすることもあり、ニューヨークでは、美術館を借りてのパーティを行ない、特に評判が高かったという。また、日本人に人気のハワイでは開催数が多いため、マンネリ化しないよう配慮。昔はファイヤーショーやポリネシアンダンスがエンターテイメントの定番だったが、最近はダンスやウクレレ演奏も、モダンな要素をミックスしたタイプを選んでいる。


さらなるアップグレードを希望、参加者へのプロモーションを強化

 デスティネーション選びは、収容力と高級感を備えたホテル探しからはじまる。より満足のいただけるツアーを企画するため、常に新たな一流ホテルを探しているという。同時に、大人数で一度にビジネス・セッションやパーティができるコンベンションセンターも重要だ。次に、世界遺産など観光素材を比較する。今年のリーダーシップ・セミナーは、日本アムウェイ30周年と本社設立50周年を記念し、通常より遠距離となるパリでの開催を決定した。

 今後は参加者であるディストリビューターに対するプロモーションをし、アピールを強化する計画だ。コー氏は、「これまではツアーを紹介する冊子を配布するのみで、受身的だった。今後はツアーへの意識と期待をより高めるため、ウェブなど活用し積極的な事前アピールを展開していく」と語っている。

 

取材:福田晴子