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ニーズが高まるエコに着目-バリ島現地取材

豊富な自然に囲まれたバリ島
エコをテーマにしたMICE素材も

top.jpg  インドネシア最大の観光地であるバリ島は1930年代以降、海外からの訪問者を受け入れ、外資系リゾートホテルからブティックタイプのヴィラ、素朴なローカルホテルまで、多様な宿泊施設が建ち並ぶ。個人旅行はもちろん、グループ旅行でも食事の手配が10名ほどで75米ドルからと廉価で、幅広い旅行形態の企画やイベントの演出が可能だ。特にグループでは豊かな自然をいかし、最近のトレンドである環境に配慮したMICE企画などの提案ができるのも魅力だ。現地オペレーターのバリアシストネットワークが主催する「エコ」をテーマとした研修旅行に参加した。     


村人と一緒にイベント企画、ホテル以外の場所でも可能

100216mice_01.jpg  ウブドから約7キロメートル離れたボンカサ村は、観光地化されていない自然あふれる素朴な村だ。樹齢約500年というバンヤン樹が300本ほども立ち並ぶ広い空き地があり、普段は特に何にも利用されていない。とはいえ、セッティングをすることで約600名まで収容が可能なゆとりあるスペースに早代わりする。

 バリアシストネットワークでは、エコ志向のグループ旅行やトレッキングなど自然を楽しむツアーなどに向け、この緑ゆたかな空き地を “イベント会場”として利用することを提案。朝食や昼食、夕食などさまざまなシチュエーションでの利用が可能だ。今回の研修旅行ではエコをテーマとしているだけに、テーブルやキャンドルホルダーなどは竹やバナナの皮といった自然素材で作られたものが使われた。これがむしろ、バリ島らしい雰囲気の演出にもなった。また、食事中のショーでは“ジャングルを守る”というテーマのもと、エコをコンセプトとした内容の伝統舞踊ジャンダルダンスや劇が披露された。村の人々も見物に訪れ、雰囲気はまるで村のお祭りのよう。バリ島の現地体験として楽しめる。

 おもしろいのは、このボンカサ村ではケータリングからショーなどのすべてが村人の協力のもとに準備・開催されるということ。現地の雰囲気を肌で体験するとともに、村人と一緒にイベントを開催することで村の活性化につなげることができ、MICE企画で他社と差別化できるポイントにもなりそうだ。

 また、デンパサール国際空港から約30 分の距離に位置するガルダ・ウィスヌ・クンチャナ文化公園でもイベント開催が可能だ。園内にはインドネシアの有名な彫刻家による建造物、バリのパノラマビューが楽しめるレストラン、石灰岩に囲まれた240ヘクタール以上の広大なオープンエアの広場などがあり、一大イベント会場といった雰囲気。園内施設やスペースでは少人数から6000名まで手配が可能で、プライベート利用からコンサート会場としてなど、さまざまに利用されている。

 屋外でもイベント設営ができ、今回の研修旅行のフェアウェルパーティではロータス・ポンドという屋外会場で、バラエティに富んだ食事やケチャクダンス、楽器演奏を楽しみ、打ち上げ花火のサプライズも。大きなスクリーンには会場の様子が映しだされ、豪華な印象のパーティとなった。周囲にそびえ立つ石灰岩が荘厳な雰囲気をかもし出し、ホテルの中では味わえない、独特な空間である。


現地に親しみながらチームビルディング

100216mice_02.jpg  最近注目されているチームビルディング。グループで力をあわせながらさまざまな作業をすることにより、普段あまり話す機会のない人々とコミュニケーションをとることができ、社内のチームワーク強化や業務効率化をはかることができるとあって、MICEでの企画にうってつけだ。今回の研修旅行でも、半日にチームビルディングプログラムが盛り込まれ、その効果を体験した。

 まず数名のグループに分けられ、それぞれ色の違うTシャツを着てチームを結成。アクティビティの内容は、バリ語で行き先を運転手に告げて次の会場へ向かったり、お供え物である「チャナン」を見よう見まねで作ったり、インドネシアの焼き鳥「サテ」を調理するといった現地の文化体験をするもの。ただの体験プログラムと違い、時間や腕前をほかのチームと競うため、互いに協力しあって自然とチームが団結する。同じチームのメンバーとは初対面でも打ち解けることができ、チームビルディングの効果を実感した。料金は人数や内容によっても違うが、約100米ドルから500米ドル程度で手配が可能。現地アクティビティとしても楽しめる。


クラシック・カーで田園をゆくヘルシーアクティビティ

100216mice_03.jpg  メングウィ王国の国家寺院として建てられたタマン・アユン寺院はバリ島で3番目に大きく、敷地内には池や噴水などがある公園のような寺院だ。以前は日本のパッケージツアーに組み込まれていたが、リゾート地域であるクタやヌサドゥアから移動に約1時間必要であることから、現在はツアーのルートから外される傾向にあるという。しかし、寺院でありながらウェディングでの利用が可能で、特にイタリア人に神秘的な結婚式ができる場として人気が高い。

 

100216mice_04.jpg  この寺院近くで、1960年代のクラシック・カーを手配したユニークなアクティビティが可能だ。ドライバーの運転で付近の田舎道を散策しながら2時間程度のドライブ。途中で自転車に乗り換え、車の入れないあぜ道へ入っていく。バリ島ののどかな景色を眺めつつ自転車をこいでいき、田んぼの中にぽつんとあるレストランで昼食をとった。ここは地元の人々がウェディングレセプションに利用するというレストランで、素朴な雰囲気だ。メニューには野菜を中心としたヘルシーな地元の料理が並ぶ。食後は田んぼで苗の植え方など農作業を習うことも可能で、バリの田舎の生活に触れることができる。ビーチリゾートのイメージが強いバリ島だが、こんなプランをバリの新たな一面として提案するのもよさそうだ。

 手配は2名から対応でき、ホテルからの送迎を含み1名あたり95米ドル。少人数からでも手配可能だ。バリアシストネットワークではまだ日本からのMICEグループを取り扱った経験がないというが、ニーズにあわせ細かく対応することも可能。今後、プランのひとつとして参考にしてみたい。


ホテル選択、自然派か高級志向か

100216mice_05.jpg  約20年前までは、田畑しかなかったウブド。その深い緑が美しいチャンプアン渓谷にあるピタマハ・リゾート&スパは、地盤や木々を破壊しないように配慮して建てられた、自然豊かなリゾートだ。ロビーやレストラン、部屋からは壮大な緑の渓谷の景色が見渡せる。また、従業員は地元の村の人々を採用し、室内装飾や食材など細部にいたるまでバリ産のものを利用するなど、徹底して地元や環境への貢献をめざしている。

 また、空港から車で20分ほどのヌサドゥア地区にあるバリトロピックリゾート&スパも、エコフレンドリーなリゾートだ。レストランで供される食材は村のオーガニックのもの。浄水タンクを設備し、排水を浄化してホテルの植林に使っている。バリの伝統的な村を再現して建てられ、ヨーロッパ人の滞在が多い隠れ家的なホテルだが、日本語の通じるスタッフが常駐している。

 高級リゾートして有名なジンバランに位置するアヤナ・リゾート&スパは、移動に専用車が用意されるほど広大で、リゾート内に宿泊や会議、イベントなどMICEに必要な要素がすべてまかなえる施設がそろう。スイートルームでのパーティや会議のほか、スパ施設もグループでの貸し切りができるため、ユニークなMICEの実施が可能だ。

 

 

取材協力:アジアアシストネットワーク、バリアシストネットワーク
取材:本誌 米津亜紀