ITソリューションの有効活用(6) (3/4)

なぜ、いまクラウドなのか?

-常に最新のテクノロジーが使え、システム構築や運用管理を軽くする

 社内において、ソフトウェアのバージョン不揃いが問題になるケースは多い。最近PCを新調した部署では最新のオフィス2010(Office2010)を使う一方で、まだオフィス2000(Office2000)を使っている部署があるといったようなことはないだろうか。しかし、ソフトウェアの購入には多額の費用がかかり、常にすべてのPCに最新版のソフトウェアを導入するのは手間もかかることになる。こういった作業環境に起因する生産性や業務効率の低下は、決して無視できないものだ。

 クラウドで提供されるアプリケーションでは、ソフトウェアの改良はすぐに全ての利用者に反映され、バージョンアップの都度、費用が発生しない。常に全員が最新版を利用できる環境が、自前で運用管理をすることなく維持することが可能なのである。

 また、システムを構築する場合、利用規模、利用内容、外部環境、もちろん投資コストなど様々なことを考慮しながらインフラの規模や性能を決定していくことになるが、投資コストの額を考えると、決定にはかなりの手間と不測の事態に対するリスクを抱えなくてはならない。そして、構築後は安定稼働のために運用管理のコストも発生することになる。現在のように環境やテクノロジーの急激な変化が常に起こりうる場合、システムはすぐ陳腐化して、使いづらいものになってしまう可能性は大きい。クラウドコンピューティングなら、構築後に最新のものにアップグレードすることが容易であったり、運用管理コストを削減できたりすることから、それらの問題にスピードと柔軟性をもって、対応することが可能になるのだ。