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国土・地質

国土・地質オーストラリアは南半球にあり、南回帰線を中心に南北に広がっている。世界6大陸の1つを1国家で占めており、その面積は日本の約21倍。世界で6番目に大きな国だ。

東は南太平洋、西はインド洋、北はアラフラ海、南は南極海に囲まれている。世界で最も古い大陸の1つといわれ、珍しい地層や奇観も多い。地球誕生の歴史を知るための研究材料としても、注目されている。

位置と面積

オーストラリアのほぼ中心部、アリス・スプリングス(ノーザン・テリトリー)のすぐ上を南回帰線が通っている。そこを中心に南北に横たわる1つの大陸と、バス海峡を隔てたタスマニア島からなる。面積は769万km2で、南北は約3700km、東西は約4000kmに及ぶ。平均標高は330mで6大陸中最も低い。ロシア、カナダ、中国、米国、ブラジルに次いで、世界で6番目に大きい国である。

各州の面積(オーストラリア政府統計局2007年6月現在)

首都特別地域(キャンベラ): 2358km2

クイーンズランド州: 173万648km2

ニュー・サウス・ウェールズ州: 80万642km2

ビクトリア州: 22万7416km2

タスマニア州: 6万8401km2

南オーストラリア州: 98万3482km2

西オーストラリア州: 252万9875km2

ノーザン・テリトリー: 134万9129km2


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数字で見る国土

最高峰
標高2228mのコジアスコ山。ニュー・サウス・ウェールズ州とビクトリア州の境にあり、オーストラリアン・アルプスと呼ばれる。

最低地点
海抜15m。南オーストラリア州エア湖の乾燥湖底。

最長河川
3370kmのマレー・ダーリング河川系。オーストラリアン・アルプスが源流。

砂漠
主な11の砂漠が大陸の20%を占める。

最北端
クイーンズランド州ケープ・ヨーク(南緯10度41分)

最南端
タスマニア州サウス・イースト・ケープ(南緯43度39分)

最西端
西オーストラリア州スティープ・ポイント(東経113度9分)

最東端
ニュー・サウス・ウェールズ州ケープ・バイロン(東経146度22分)



地形の特徴

ゴールド・コースト西部から中央部は広大な砂漠と石や砂だらけの台地が広がり、そこから東部にかけては高原と草原が横たわる。東海岸地帯は砂浜が続き植物が生い茂り、その背後には切り立った断崖や侵食された火山性溶岩、平坦な草原など、複雑な地形が続いている。

オーストラリアは大きく分けると、相反する2つの大地が同居しているのが特徴だ。海洋に面した潤いのある土地と、内陸部に広がる乾燥した土地に大別される。
湿原海岸に近いエリアは緑濃い樹木に覆われ、北部には広大な熱帯雨林を要する土地も広がる。世界遺産に指定されているクイーンズランド湿潤熱帯地域、オーストラリア・ゴンドワナ多雨林、カカドゥ国立公園などでは、その様子をじかに見ることができるだろう。

また、シドニー郊外のブルー・マウンテンズやブリスベン北部のグラスハウス・マウンテンズ、アデレード西部の平坦な平原などでは、複雑な地形と相まって、さまざまな景観が見られる。
エアーズ・ロック内陸部は赤茶けた大地が果てしなく続き、低木が密集したブッシュなどが点在しているその中で、世界最大の1枚岩ウルル(エアーズ・ロック)やカタ・ジュタ(マウント・オルガ)などが、乾燥した台地をさえぎるようにそびえる。

アリス・スプリングス近くのマクドネル山脈、南オーストラリア州にあるフリンダーズ山脈、東海岸沿いの大分水嶺山脈などが、比較的平坦なオーストラリア大陸に変化をつけている。


珍しい地形や地層

ストロマトライトオーストラリア大陸は世界でも最も古い大陸の1つといわれ、地球の歴史を知るうえでも貴重な存在だ。西オーストラリア州マーブルバー近郊のノースポールからは、約35億年前の世界最古の化石も発見されている。

世界遺産にも登録されているシャーク湾のハメリンプールには、藻の一種、ストロマトライトと呼ばれるマッシュルーム状の石群がある。
これは、光合成をする藍藻シノアバクテリアが群生してできた“生きたまま石化する生物”。地球最古の生命体で、古いものは推定30億年以上前に形成されたものもあり、地球上の生命に必要な酸素を供給する。

5億年前の地層を形成するニュー・サウス・ウェールズ州のブルー・マウンテンズ、6億年以上前に堆積した花崗岩質砂岩層が隆起したウルル(エアーズ・ロック)など、地球の歴史を垣間見られる場所は大陸の至る所にある。


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